残り僅かな命の中で【あほの坂田】

hope #4 ページ5

時は刻々と過ぎてゆく。

悪さをすれば

「あ、A、なにしとるんか！！！」

いいことをすれば

「おお！！！ええやんか！！！ようできたなぁ」

そして不安な時には

「Aちゃん、大丈夫だから安心してや。このスーパーヒーローがついてるから！」

そんなさかたんが、私は好き。

もう残りはー…

１ヶ月。

今は12月2日。

そのままの計算でいったら1月2日。

クリスマスとお正月が待っている。

でも、そんな日もさかたんと過ごせるならー…なんて思ってしまっていた。

そして今日も

「よっば〜れてーとっびっだっしって…」

あ、来たか。

「ジャジャジャジャーン！！！」

そう言ってドヤ顔で入ってくるさかたん。

「何回言わせたらわかるの静かにして恥ずかしいからやめて」

そう言うと

「そ、そうだった…。でもそんなに言わなくていいやん…」

そう言ってしょげる。

この笑顔が。

この可愛い仕草が。

あと１ヶ月しか見れない。

そう考えると無性に自分に苛立ちを覚える。

このまま私は…さかたんが担当した『1人の患者』で終わるのかな…。

そんなことを考えてたら、さかたんはいなくなっていた。

薬でも持ってくるのかな。

この一瞬のさかたんがいたい時間が寂しく感じた。

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