残り僅かな命の中で【あほの坂田】

hope #3 ページ4

ー次の日ー


何か…頭が痛い。

そう思い目が覚めた。

つい入院前の癖でスマホを探してしまう。

…そうだ、ここは病院だ。

一週間以上経った今でも病院にいることに慣れていない。

意外と快適だがスマホがいじらない時間が多いのが癪だ。

「Aちゃ〜ん！！！」

そう言ってさかたんが登場した。

「ここ病院、静かにしよう」

「あ、そうやな」

…あなた本当に看護師か。

幸い、昨日触れてはいけない話題に触れてしまった感じの微妙な空気は流れていない。

…よかった。

「あ、熱はかってな」

いつも通り熱を測る。

しかし…。

【38.1】

「…高い」

「大丈夫か？今いろいろ持ってくるから安静にしててや」

「うん…」

これも病気のせい…？

そう思うと一気に怖くなる。

心臓病に熱が出ることはあまりなかった気がするからちがうとは思うけど…。

でもやっぱ、怖い。

布団にくるまり、下を向く。

ガラガラ…。

「Aちゃん、持ってき…」

そして止まる。

「…安心して大丈夫や。熱は関係ない」

そう言って頭を撫でた。

さかたんに撫でられると安心する。

さかたんの優しい声が好き。

さかたんのその…愛くるしい笑顔が大好き。

…死んだらさかたんに会えなくなると思うと余計に悲しくなった。

でも。

さかたんと一緒なら大丈夫かな、なんて…。

そんな、突拍子もないことを考えたりしていた。

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