悪魔と呼ばれた (ページ8)

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8話ページ8

貴方「爆豪さんはどうして保健室に？｣

爆豪さんを見ても怪我をした様子は無い。

爆豪「...顔色がわりぃから保健室行けって言われたんだよ。」

貴方「なるほど。じゃあ一応体温測りますか？」

爆豪さんは返事はしなかったが大人しく椅子に腰をかけた。
リカバリーガールのデスクから体温計を取り出し爆豪さんに渡す。熱を図っている間、リカバリーガールの椅子に座って彼を見ていた。

ピピッという機械音とともに爆豪さんは体温計を取り出す。

貴方「どうでしたか？熱はなかったですか？」

爆豪「36.9だ。大した事ねえ。」

体温計を私に差し出し保健室から出ていこうとする爆豪さん。

貴方「あっ、待ってください！顔色は良くないように見えますし少し休んで言ったらどうでしょうか。」

爆豪「大丈夫だって言ってんだろ。」

貴方「せめてリカバリーガールが戻ってくるまで。」

爆豪「...ﾁｯ。」

不機嫌そうにしながらも爆豪さんは椅子に腰掛ける。
割と素直なのかなと思いながらも爆豪さんを見つめる。

爆豪「ンだよ。」

貴方「あ、いえ。特に理由はないんです。すみません。」

爆豪「...てめぇはなんでここにいんだよ。体調悪ぃんじゃねぇのかよ。」

貴方「あ、はいえっと...その...。」

もごもごと口ごもっている私を静かに見つめる爆豪さん。
私が話すのをしっかり待っていてくれてるのだろうか。

貴方「えっと...私学校行ったことないんです。雄英が初めてで学もないし集団行動というものもしたことがありません。慣れないことばかりで疲れてしまって。情けないです。」

俯いてしまって爆豪さんの顔は見えない。沈黙が気まづい。今日初めて会った人に話す内容ではなかったと後悔せざるを得なかった。

貴方「ごめんなさいこんな話！あの、このこと誰にも言わないでください。あまり知られたくないので。｣

爆豪「ン。...てめぇの事情なんざ知らねぇが別に情けなくはねぇだろ。」

カチリと目が合う。口が悪くて少し顔も怖いと思っていたけど人は見かけによらないとはこのことだろうか。
意外と優しい一面を見せた彼を見て自然と笑みがこぼれた。

貴方「ありがとうございます。私頑張ります。｣
爆豪「おう。」

その後しばらくしてリカバリーガールが戻ってきた。
爆豪さんは寝不足なだけで特に問題ないとのことで教室に帰っていった。