8話 ページ9
中原side
俺と太宰は三宅Aを連れて外に出た。
外と言ってもまだポートマフィアの本部内だが。
太宰「そういえばAちゃんの異能力はどんな異能力なんだい？私は「人間失格」相手に触れれば異能を使用不可に出来る反異能力さ！ほら、中也も説明して。中也が1番Aちゃんに近しい存在なのだからね！」
中原「うるせえ！手前は黙ってろくそ太宰！今から説明するとこだったンだよ！」
太宰の存在に腹が立って仕方がねえ。もう此奴が息していること自体が気に食わねえ。
中原「俺の異能力は「汚れつちまつた悲しみに」重力を操れる能力だ。」
貴方「私の異能力はその、まだ私自身よくわかっていないのですが...「薮の鶯」この世のベクトルを自在に操れる能力です。」
三宅Aの能力を聞き、俺と太宰は顔を見合せた。
この世のベクトルを自在に操れるだと？軍はなんて兵器を作り出したんだ。太宰の顔がどんどん険しくなるのがわかる。
太宰「Aちゃん。ベクトルを自在に操れるという能力の危険性は分かっているね？」
貴方「...まだ、よく分からないんです。ここに来る以前の記憶は曖昧ですし、ここに来てから私は1度も能力を使っていません。何より、私は能力を使った記憶が無いのです。」
何も覚えていない。異能の危険性も自分がどこで何をしたのかも。
汗が背中を伝った。
太宰「1度君の能力を見よう。」
中原「ｯ!?何言ってやがる手前！！！」
その言葉に俺は思わず太宰の胸ぐらを掴んだ。
俺も能力の持ち主の三宅も何もわからない状態でそんなことしたら…
太宰「中也。落ち着きた前。何かあっても私がいる。地下牢獄に行こう。大丈夫さ。私が必ずなんとかする。」
そう言って太宰は俺の手をシャツから離させ三宅の手を引いた。
太宰「中也。私一人では無理かもしれない。着いてきてくれるね。」
それ以上何を言うわけでもなく、俺は太宰の後をおった。
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