20話 ページ21
中原side
訓練を初めて3時間ほど経過した。
今日のAは上の空だ。理由は聞くまでもなく異能の訓練だろう。
中原「今日はこれで終いだ。」
そんなAを見て俺はいつもより早く訓練を切りあげた。
上の空で訓練なんか続けていれば怪我をしかねない。何より明日のために休息を取らせてやりてぇ。
貴方「あっ、すみません。私が上の空だから...。ちゃんとやるのでもう少しご指導お願いします!」
中原「いや。今日はもう終いだ。昨晩あまり眠れなくてな。俺の集中力がもうもたねえ。」
つらそうに頭を下げるAを見て咄嗟についた嘘。
こんな嘘に騙されるような女じゃねえのはわかっているが、今日はもう休ませてやりたいと思った。
貴方「寝不足、ですか。___分かりました!そんな中今日もご指導ありがとうございました。」
中原「いや俺の方こそわりぃな。んじゃまあ今日はAの部屋で茶でも飲むか。」
とびきり美味しいものを用意します!と言ってAはいつも通りの笑顔を見せた。
Aが笑うと嬉しい。喜ばせてやりてぇ。幸せにしてやりてぇ。最近はそう思うことが多くなってきてやがる。
俺はいつもそんな気持ちを無視する。
今はまだ___
今はまだこのままでいい
貴方「中也くんはストレートティーで良かったですか?」
中原「ん。よろしく頼むわ。」
紅茶の匂いが漂う。
俺は最近、この甘い時間が心地よくてたまらねえ。
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