病気 ページ21
ITOKANに着いたコブラたちは、スキンを問いただした
コブラ「おい、早く説明しろ」
スキン「分かったから、少し落ち着いてくれ」
ヤマト「落ち着けるわけ無いだろ」
スキン「…Aは、…病気なんだ」
コブラ「病気、？」
スキン「あぁ。心臓のな…」
村山「え、心臓っ、？」
テッツ「じゃあ、Aちゃん、死んじゃうのか？」
スキン「いや、心臓病と言っても少し特殊な病例でな。Aの場合、余命はない」
チハル「よ、良かった」
スキン「Aが今の病気を発症したのは、今から2年ほど前の事だった。ずっと胸のあたりが痛いとAが言っていた時に、あぁ、もうすぐ発症するのかと身構えていたんだ」
広斗「なんで発症することが分かってんだよ」
スキン「Aの父親もAと同じ病気を患っていた。それも、父親が発症したときも胸のあたりに痛みが走ったそうだ」
スキン「Aの病気は、心臓の動きが不安定になることで、血液循環が変化する。それによって心臓付近で痛みが走り、呼吸困難に至る。
発作の発動は不規則なものもあれば、条件もある。条件というのは、走ったり、緊張したりすると、心臓の動きが早くなる。
心臓が弱いために、キャパオーバーを起こしてしまってな。それにより不安定になり血液を送り出すのが遅れ、心臓に血液が溜まり発作が起きる。
今わかっているのはそれだけだ。後はなんで発症するのか分かっていない。
発作を抑える方法は1つだけ。一定以上の刺激を与えることだ」
尊龍「一定以上の、刺激？」
スキン「そうだ。その刺激は何でも良い。物理的でも精神的でも何でも構わない。だが、確実に発作を抑えられるのは、物理的な刺激の中の"痛み"だ。
一定の刺激というのも、発作が起こるときの痛みよりも強い痛みを体に与えれば収まることが分かっている。
その一定の刺激というのが、ちょうど刃物で1回刺したときと同じ刺激なんだ。だから一定以上、2回以上であれば、発作は収まる。
だが、毎回というわけではない。Aの病気にはパターンがある。俺たちはそれをABCと割り振っている。
Aは発動時に痛みが走り、Bは発動時にAより小さい痛みが走り、そしてCは発動時に呼吸困難に陥る。
Aの場合はさっきも言った通り、刃物で2、3回刺激を与える。Bの場合はAよりも小さい刺激で良いために、氷水を一気に浴びたり、驚いたりすることで抑えられる。
Cの場合は抑える手段が無いため、発作が収まるまで耐えるしか無い」
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作者名：サラ | 作成日時：2022年11月26日 7時
