【名探偵コナン】夏色traveler

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“行ってらっしゃい“ぐらい言いたかった。




長いこと一人暮らしだと、家に誰もいないのが当たり前になるからいつしか挨拶をすることがなくなっていた。




“いってきます“、“ただいま“、“いただきます“、“おやすみなさい“、当たり前のように言えるけど言わなかった。




でも、この間久しぶりにAちゃんに“おかえりなさい“と“おやすみなさい“って言われた時、心なしか少し嬉しかった。




挨拶が返ってくる…ずっと忘れてた感覚が戻ってくるみたいで心が暖かくなったんだ。




だから、これからは言おうと思ってた矢先、逃すという…。




どうやら詰めが甘かったようだ。




帰ってきたら“おかえり“と絶対言おう。




とりあえず、置き手紙に手を伸ばした。




［おはようございます。よく寝れたかな？なんだが起こすのは申し訳ない気がして、声はかけなかった。朝ごはん作ったので、置いておくね！！一応早めに仕事は切り上あげて帰るつもりなので、今日の家事の方はよろしくお願いします！！p.sきっと、出かける時もあるだろうから、スペアキー置いておきます。絶対無くさないでね！！］




最後に書いてあったp.sに驚いて少し視線を逸らすと、キーホルダーとか何もついてない裸のスペアキーが置かれていた。




いやいやいや！普通、このまま渡す！？




これじゃあむしろ、無くす自信しかないわ！！




せめて、キーホルダー付けて欲しかった！！




この際、変なやつでも文句言わないから付けて欲しかった！！




帰ってきたら抗議だ。




とりあえず、せっかく作ってくれたことだし、まずは腹ごしらえかな？




んで、食べ終わったら掃除、洗濯始めますか！




人が作ってくれるご飯は美味しかった。




女の子だし、一人暮らしだし、できるとは分かってたけど、文句無しの美味しさだった。




本人には言わないけど、ありゃ、いいお嫁さんになるぞ。




それにしても、ここに来て既に3日たった。




まだ、知らないことだらけだけど心の余裕は出来た。




それこそ朝起きて、知らない部屋の天井が目に入るのは1日で慣れた。




最初に目を覚ました時は衝撃しかなかった。




だって、知らない部屋に知らない女の子といるんだぜ！？

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