【名探偵コナン】夏色traveler

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『私の両親、2年前に交通事故で亡くなってるんです。私が短大に入って、わりとすぐの事でした。福引で温泉旅館のペアチケットが当たった！！って母が大喜びしてて、私は学校があったし、もう大学生だから1人でも大丈夫って事を話して父と2人で行ってきてはどうだって進めたんです。2人はそんな私に大人になったね！って泣きながら喜んでいました。喜んだ2人の姿に私も嬉しかったのを今でも覚えてます。出発の日に”行ってらっしゃい、楽しんできてね！！”って見送ったんです。そしたらお昼頃、母の携帯から電話がかかってきて、不思議に思いながら電話に出たら母じゃなくて、警察の方が電話に出たんです。話を聞いたら、旅館に向かう途中の山道で土砂崩れに巻き込まれて亡くなったって言われたんです。身分の確認をしてもらいたいって電話だったんですよ。嘘だと思いました。でも、現実はそんなに甘くなくて…。白い布を顔にかけられた2人は間違いなく私の両親でした。それからはよく覚えてないです。次に気がついた時には葬儀も火葬も埋葬も終わってて資料の整理に追われてる自分がいました。』




萩原さんは何も言わずに私の話をただ聞いていた。




その顔はちょっと歪んでいるし、眉間にはシワが寄ってる。




『萩原さん、そんな顔しないでください。あれから2年経ってます。確かにしばらくは落ち込みました。死因は土砂崩れに巻き込まれた事だったから、悲しみと怒りをぶつける場所がありませんでしたからね。でも、今は大丈夫です。もう、会えないけど最後に見た両親の顔は素敵な笑顔だったし、たくさん愛情も貰ってました。こうやって2人が生活してた空間とか持ち物とか残してるのは、思い出に囲まれて生きるのもアリかな？って思ったからです。不思議と辛くなかったんです。思い出に囲まれてるからか、2人が近くで私のことを見守ってくれてるような気がして…。もうすっかり吹っ切れてるので本当に大丈夫ですよ。』




萩原さんを安心させるように笑った。




するとそれを見てまたもや驚愕した顔をしたが、すぐに優しい表情になった。




そして、昨日の夜の情報交換の時と同じように私の頭を撫でる。




冷静になるとすげぇよな。




ナチュラルにボディタッチしてくるんだぜ？




しかも相手が全く警戒しないように。




プロの犯行かよ！そして絵に書いたように絆されてる私。




我ながら、チョロいかよ！！

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