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離れてわかること ページ32

「でも今思えば、
あの時期があったから、
仕事は大切なことだって理解できたし
お互い少し冷静になれたんだと思うのよ」


「子供だったのよ。ハタチそこそこなんてね。

ずっと一緒にいることが愛だってそんなふうに思っていたからその頃は。

だけど違うのよ。
離れても心に残る人が、きっと運命の人なのよ。」


「きゃー!運命の人だって!やだわぁ!」

自分で言っといてバシバシ叩くんやめてよ!痛い!


『おかーさんは、おとーさんが運命の人?』

「そりゃもちろん。だからAがいるのよ。お兄ちゃんも。」


結婚してからもう20年以上経つのにお父さんを運命の人だと言いきれるお母さんが、とっても格好良くて美しく見えた



「あんたももう出会ってるんじゃない?」


お見通しなのかな。
さすがおかーさん。




『盛大に喧嘩した。喧嘩っていうか……完全に私が悪かったから喧嘩ともいえない』

『謝ったけど、消えない傷付けたし』


『この先はわかんない。どうなるか。』




「好きな人がいるって幸せなことよ

ちゃんと好きって伝えてあげなさいな。」



言葉の重みが。

ずしーんと心にのしかかってきた。




「ほら、もう寝たら?」

そういって、テレビを消したお母さん。


『うん。おやすみ』

「はいおやすみ。ゆっくりね」

なんでわかったの?→←お母さんの昔話



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作者名:アイハ | 作成日時:2021年2月2日 21時

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