CALL MY NAME２（黄） (ページ28)

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教えてお父さんページ28

『おとーさんはさ、』

切り出しておいて、言葉に詰った
なんて言えばいいのかな？
聞いてみたいことがある

『おかーさんと付き合ってる時、喧嘩したことある？』

一瞬びっくりした顔がしたけど、ふんわり緩んで、お父さんは続ける

「あるぞ。
そうだなー、こんな話、お前とする時が来るか。」

「大喧嘩みたいのしたことあったな」

『大喧嘩』

「それ以外は思いつかんほど喧嘩なんかしたことなかったんたけど
まあ結婚してからは、ちょくちょくあったような気もするが」

『・・・』

懐かしいって顔したお父さんが、なんだか嬉しそうで。

「あん時は完全にお父さんが悪かった。

照れくさいだろ？好きとかそういうの言うのって。
毎日のように一緒にいたのに嫌いな訳ないけど
女の人は言葉が欲しいもんなんだって怒られて」

なんか…どこもあるのかな…こういうことって……

「そのタイミングで大学を卒業して就職して、ちょっと物理的な距離できて」

「俺が仕事であっぷあっぷしてるのに、なんで会えないの？って聞いてくるんだよ」

「そりゃ朝から夜まで働き詰めで、休みくらい寝たいじゃんか」

「それで
他に女がいるんかって」

「責めてくれたほうがよかったよなぁ、
すーっとフェードアウトしてったんだよお母さん。
····喧嘩ってよりは冷戦かな。あはは」

『どこにでもあるのか、その類いは。。』

「はは！どこもおんなじようなもんだろ。
それからしばらく会わなかったんだけど、
お父さんなぁ、やっぱりお母さんが側にいてほしかった」

「・・・はー、酒飲みたくなってきた」
『飲めば？笑』

ズズーってお茶飲むけど。

「こんな土曜の昼に娘に話すことじゃないわな。笑」

ふー、と息を吐いて、

「まあこの際だから教えたろ。」
『うん。笑』