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突然の出来事 ページ16

・・・・あのまま、



鬼の副長とはなにも言葉を交わさないまま別れた。









そうするしかなかった。




にぎわう声も、
楽しげな笑い声も、




まるでわっちを排除するかのように




江戸の至る所に響く。









・・・と。









ぼんやりしながら歩いていたからだろうか。




誰かの肩と、わっちの肩がぶつかった。









「すま・・・」









「ちょっと、
うちの兄きになにしてくれてんの?」

「ぶつかっといて挨拶もなしかあ?」









わびの言葉を口にするより先に、
突然すさまじい形相で詰め寄られる。








「おっ、いい女じゃねーか。
ちょうどいい。
俺らと遊んでくれるなら、
ぶつかったこと許してやってもいいぜ。
お姉ちゃんよォ・・・」









金色に髪を染めた、
如何にもな風貌の男たちがわっちを威圧するように





壁際におしやっていく。






面倒な奴らにつかまってしまった。








女を馬鹿にしきった、男どもの顔つき。

どうせ女をの道具としか思ってないような奴らだろう。



吉原で、もっともよく見る男ども。








「・・・いくら払う?」



「・・・あ?」









「もし、ぬしらと遊んだとして、いくら払ってくれるでありんすか?」







吉原の女は売り物。
タダでなど、遊ばせてやるものか。




自暴自棄になっていたのかもしれない。

自分の身も、




ここが地上であることも、





吉原の法が通じぬことも、








・・・・どうでもよかった。






「・・・・っこのアマ!
ちょっと下手に出たらいい気になりやがって・・!」









体など、当に傷ついておる。





顔を殴られて、使い物にならなくなるか。









・・・・・・それもいい。








だが、男の振り上げたこぶしは、
わっちの体を傷つける前にとまった。









・・・・かすかな煙草の香り。








かばうようにわっちを抱きよせた腕。









「・・・・・どうして?」






大きな鬼の副長の背中が、わっちの前にあった。

ついた嘘。→←涙  土方side



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(プロフ) - まず、設定で私を泣かせに来てます(泣)本当にもう、土方さんの不器用な優しさや、遊女の一途さと言いますか、愛を感じられる描写がとても素晴らしかったです!(泣)もう、泣きましたよ(泣)これからも応援してます!! (2021年9月24日 0時) (レス) @page48 id: 5d43e7b889 (このIDを非表示/違反報告)
らむくん@ヴィル様の旦那さんになりたい人(プロフ) - ピギェェェェェェェェェェ (2021年1月13日 12時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
米狐(プロフ) - 泣けてきた(ノ_<。) (2020年5月1日 17時) (携帯から) (レス) id: 598bb1266d (このIDを非表示/違反報告)
チイナ(プロフ) - 泣く。 (2019年10月19日 19時) (レス) id: eb01f26c9b (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - ぶっきらぼうだけど、不器用なりにも優しくて格好良い土方さんに感動し、惚れてしまいました。土方さん好きです、最高です、 (2019年10月17日 14時) (レス) id: 7837a845b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピアス | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/b19a32b0a01/  
作成日時:2014年3月8日 17時

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