大丈夫、キミが好きだよ。#2【orange】 (ページ34)

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本当の話ページ34

私は、たぶん小学生の頃から裕兄を特別な存在に感じてた

自分でもわかっていない恋心だったのかも

好きが何かわかってなくて

1番近い存在の裕兄を好きだと思って

お姉ちゃんに病気が見つかってから

裕兄と私はつらさや悲しさを忘れるために2人で色んなところに行った

裕兄はたぶん恋人が死への階段を上っていく姿へのつらさを
私でどうにか晴らしていたんだと思う

私はそれでとどこか嬉しかった

お姉ちゃんの病状が悪化すると裕兄は私の所へと来たから

ある日裕兄と私は初めて手を繋ぎながらクラゲの水槽を眺めたの

それが最初だった

そこからお姉ちゃんが良くなって行くことはなかった

悪くなればなるほど私たちは近くなった

手を繋ぐのは当たり前で
ハグしたり
キスをしたり

背徳感が、心地よかった

お姉ちゃんはたぶんそんな私たちを知っていたんだと思う

あるとき

『お姉ちゃんは、Aが選んだ男性なら素晴らしい男性なんだと思う。Aはお姉ちゃんのかわりに幸せになって欲しい。でも1人だけじゃないの。Aには間違った道を歩ませたくない』

って言ったんだ

当時の私にはわからなかった

けど、今ならわかる

お姉ちゃんはわかってたの

裕兄と私は合わない

裕兄と私が結ばれる未来はない

裕兄を好きな私に幸せは訪れない