大丈夫、キミが好きだよ。#2【orange】 (ページ15)

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ティアラが頭に乗るのが楽しみすぎて

みんなも私もソワソワし始めると

『丸山くん出来たってー！』

なんて声が飛んできた

ティアラの事は一瞬忘れて
声の方に目を向ける

今日はどんな変な格好をしてるんだろう

プリンセスになった私は笑いとばす気満々

だったのに

入ってきたのは

王子様のような衣装を身に纏った隆平

いや、隆平みたいな王子様

教室がシーンと静まり返る

丸「きゃーとかワーとかカッコいいとかあるやろ」

恥ずかしそうに鼻をこする隆平

いや、王子

「……どこの国の王子ですか」

気の利いた事は出てこなくて
でもこう言えば隆平ならボケてくれると思ったのに

ヘロヘロになった恥ずかしがり屋の王子は
私を見つめては目を丸くする

丸「わっ…わぁ……めちゃくちゃ綺麗やんか…」

「でしょ、私もビックリしちゃった」

丸「……うわぁ…あかん、本物のプリンセスや」

なんか恥ずかしー！って顔を手で覆う隆平の目の前に差し出されたのはつけ損ねたティアラ

『王子、プリンセスの頭に乗せて頂けますか？』

クラスメイトの悪ふざけに微笑んでティアラを受け取る

茶番大好きなんだから

丸「姫、失礼します」

隆平に向けて頭を差し出してみる

クラスメイトが動画を撮ってるのに気付いたから
プリンセスになりきってみたりして

頭に重みを感じると

ゆっくりと顔をあげる

柔らかい顔をした隆平は

丸「姫の美しさがより一層。とても綺麗です」

そう言って私の手を握ると

手の甲にキスをした

私はもう恥ずかしくて恥ずかしくて

クラスメイトは声にならない声を出して

それを破ったのはこの男

大「みんなおはよー！！えぇー！？美女すぎるプリンセスやーー！！！！」

『大倉うるせー！』
『台無しじゃねーか！』
『空気読め！』

そんな光景が面白くて、笑う隆平と私

手はずっと、触れたまま