灯火２ (ページ10)

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あなたside

ニコニコしながらマカロンを食べる錦戸さんは
小動物みたいでかわいい。

なぜだか嬉しくなってこっちまで笑顔になる。

あ、錦戸さん。
お顔にチョコレート付いてるよ(笑)

私は錦戸さんの口元に手を伸ばした。
彼は一瞬ビクッとしたけれど、こちらに顔を近づけてくれた。

チョコレートソースを拭ってあげると
とても恥ずかしそうな顔でこちらをみていた。

そしてすぐに顔をそらして
紙とペンを取り出した。

目の前に伸びてくる手。
その中にメモがあった。

ゆっくり手に取って読むと

｢ありがとう｣って書いてあった。
だから私は｢どういたしまして｣って
ジェスチャーで返した。

錦戸さんは優しい顔で私の頭を撫でて

ゆっくりと口づけをした。

･

えっ、

ビックリするよね。

いきなりだもんね。

固まっていたら
申し訳なさそうな顔をした彼が私の手をとって

指で｢ホンマごめん｣と書いた。

嫌だったわけじゃない。
そんな顔しないで欲しい…

今度は私が彼の手をとって

｢少し驚いただけだから。｣と指で書いた。

彼は良かったと、また私の頭をなでてくれた