灯火２ (ページ13)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,284 hit

悲系１ページ13

安田side

検査の日からAちゃんの食欲が低下し始めた。

今まで頑張って食べていたご飯も残すようになって
亮がお見舞いで持ってくるものも、あまり食べなくなっていった。

栄養が取れへんせいか、熱出したり吐いたり
体調を崩すことが多くなった。

急遽、流動食や点滴で何とかつなぎ止めたけど
まだ吐いたり拒絶することがある。

亮も心配して気が気じゃない感じで
もともと細い体が少し痩せている。

飲みに誘っても、大好きな唐揚げもあまり手をつけず、

酒も飲まなくなった。

｢何があったん？そんな痩せて。｣

『Aちゃんがメシ食われへん様になったって聞いて』

そやな、それ俺が言うたよな。

彼氏には伝えとこう思っててん。

Aちゃんは身寄りがなく、
大切だと思える相手は亮しかおらんから

でも、それが亮を苦しめとるんやったら

俺のやった事は間違えやったな。

｢まーた要らんお節介やいてもーた。｣

『要らんことないよ。教えてくれて嬉しかったし…けど、Aちゃんのこと考えたら俺もメシ食われへんようになってもーてん。』

おかしいやろ、と亮は笑いながら言う。

『章ちゃんが伝えてくれたあの日から、不安やねん…なあ、Aちゃん泣いてへんかな』

亮は涙目でこちらを見た。

なるほど、心配なんやな。Aちゃんが。
それで食えへんようなるってどんだけ優男やねん