ともくんの

rd× 打ち上げ花火3 ページ47

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「告白…？」

「うん。シゲのこと、好きなんやろ？
　何となくそうかなって」

「告白かあ…、
　言えるわけないやん…あんなけ俺のこと嫌がってんのに…」

俺らから離れて流星と楽しそうに食べて、笑うシゲを見て
よっぽと俺と2人が嫌やったことに気づいた。

ずっと好きなシゲに伝えたくて、やっと決めたのに。
シゲも気づいてたんかな。
やから俺を避けようとしてたんかも。

「…俺がおらへん方が良さそうや。
　2人にはうまく言うてて？」

「待ってよ、一緒に」

「あの顔、さっきまで見られへんかったから。

　俺はフラれたんよ。」

じゃあね、そう言って来た道を戻った。
のんちゃんを困らせるのはわかってた。
ごめんね。
でももうこれ以上いたくなかった。

緩めに着付けたからか少しはだけた浴衣を治し、
もう隠さなくて良くなった足を引き立って歩く。
人通りの少ないところまで行きたい。
食べたかったリンゴ飴もチョコバナナも今はただ
甘ったるい匂いをさせて胸が苦しくなる。

震える携帯はのんちゃんからやろう。
俺を心配してくれたみたい。
でも今はどうしても出る気になれなくて気づかないふりをした。
駅まで向かうと，俺みたいに反対側に進む人はいない。
降りてきた人がごった返して，うまくホームへ進まない。
一本、二本、としばらく電車を見送って、電車へと歩みを進めた。
せめてこの電車には、と体を傾けた時、
庇っていた足に激痛が走る。
転ぶ、そう思った時、いきなり腕を掴まれて引きずり上げられた。
急なことに声も出ず、俺の背中でドアが閉まった気配がした。

「し、げ」

「…はぁ、はあ、間に合った」

車両には俺ら2人しかおらんくて
目の前で息を切らした男は良く知ってるやつ。

「どしたん？シゲ向こう方面やで？」

「神ちゃん、こっちやんか」

「せやけど…どないしたん？そんな慌てて」

「どうもこうも、俺置いて帰るから」

「あっ、ごめん。
　流星と楽しそうやったから水差すんも悪いな思って」

「一緒に来たやん、」

「ごめんなあ、」

軽く流せたかな。
近くのシートに腰掛けて携帯を取り出すと、
のんちゃんと思っていたのはシゲで、
何件も着信を入れてくれてたみたい。

「ごめん、気づかんくて」

「ええよ、もう帰るん？」

「せやなあ、なんか疲れたし」

「えっ、足怪我してるやん！」

視線を落とすと足首は赤く腫れていつもの俺の足じゃない。

「あ、ほんまやなあ、気づかんかったわ！」










だって痛いのは心やもん

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