ともくんの

rd× 大好きやから ページ19

「「今日は唐揚げです！」」

このメールが来たってことは、俺には使命がある！
よっしゃ！任しといて！

「淳太！この契約書、ハンコ押しといて！
　濱ちゃん！外回りは俺が行くから直帰するわ！
　照史はその資料の打ち込みが終わったら望にも教えたって！
　流星は俺と菓子折り持って行くぞ！」

「でたよ、今日唐揚げやわ、」

「月2の恒例行事ね、あいあい。」

なんや知ってんなら話が早い！
俺は帰る！愛するともが待ってるから！！！

…なんて。

実はともが俺に頼んだことから始まった。
こんな仮面みたいな生活。
恋人と別れたからかな？俺もヤケになってOKしたんかも。
それでもいい。元彼から逃げたいからって。
そう言われて適当に酔った勢いで承諾した。

流星の準備をドアの前で待っていたら
神山が俺の方へ走ってきた。

「重岡さんっ」

「どした、神山」

「今日…」

「あぁ、さっきの？」

「ごめんなさい。帰れない用事ができて」

「どしたん？」

神山にしては珍しい。
仕事は朝からチャキチャキと終わらせて
気がつけば居ないのが普通やったのに。

「…仕事がおわんなくて。」

恥ずかしそうにポツポツと話し出すのは、
几帳面な彼は定時で帰れないことが許せないのか？
はたまた恥ずかしいんやろか？
どのみち俺には関係ない。

「そっか、」

「…今日はご飯、」

「あぁ適当に済ますしええよ。
　むしろ毎日ごめんな。」

「…いえ、好きでしてるだけなので」

「ほんならきいつけて。」

「お疲れ様です」

ペコっと頭を下げた神山は俺を通りすぎ、
ちょうど来た流星を見つけた。
流星と何か話してるようやったけど、
仲ええみたいやし、俺には関係ない。

「お待たせ」

「ん、行こか」














「かぁー！！お疲れ！もうこれはもろたな！」

「せやな！あそこのシゲの一押しがよかったわ」

そう言われて得意げになっていると複数の通知。
気になって携帯を見ると、普段は来ない神山からの複数の着信。
あいつからかかってきても不在着信は必ず一件。
そのあとに簡単な言葉でメッセージが送られてくる。
だから折り返したり、返信をしたり。
なんやろ…変や。そう思いながらも

「「どした？」」

と返したのみでそのまま家路についた。





次の日。神山がデスクの上に弁当箱が置かれている。
昨日は俺の家に来ないまま、朝を迎えた。
久々に広く寝れた。よく眠れたのか目覚めもいい。


「「弁当ありがと」」

メッセージを送って仕事に取り掛かった。

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