rd× 入れ代わり9 ページ42
「ありがとう。きてくれて」
「んーん」
「俺ほんまに神ちゃんは、流星が好きやと思ってた。
俺さ、すごい好きやったから、幸せになって欲しくて、
それで、それで2人近づけなあかんって思って、
でも小瀧が邪魔するから、避けなあかんなって、
小瀧に付き合ってるフリ頼んでん。」
「そ」
「ほんまにごめん。」
「別に。…俺は流星が好きやから、嬉しい2年やったし」
アイスティーにシロップを追加して、
神ちゃんはストローを回した。
目の前に置かれたスマホは時々震えながら光る。
誰からか気になる。でも、俺は聞くこともできひん。
「やのに家も入るしな」
「ごめん。」
「…ほんまに最低。
酔った俺も悪いけど、わざわざ脱がさんくたってええやん」
「あの服神ちゃんお気に入りやったから…
汚れたりしたらあかんって思って、」
「そんなんシゲには関係ないやろ」
「ごめん。でも、気に入ってたし…、」
「他になんかしてないやんな、」
「…」
「何したん!?」
「…キス、しました、」
はあ…と盛大に漏れる溜息。
神ちゃんは頭を抱え込んでしまった。
「ごめんっ、俺もう、諦めるつもりで、」
「それでもないわ。最低」
「…ごめん、」
「流星、今すぐちゅーして、」
流星も一緒なら、と2人で来た神ちゃんの隣には
正式に恋人になった流星がいる。
一言も話さずに、ずっと隣に居ても不思議じゃないのは
今までの2年間があったからやろう。
2人の中にはもう誰にも入れない、空気がある。
俺にはわかる。流星だってこんなに可愛い神ちゃんみてたら
好きにならへんわけがない。
絶対自分のものにしたいはずや。
「ええよ、おいで」
そう言って腕を広げて、神ちゃんを受け入れて。
すっぽり埋まった神ちゃんは、俺が見ることなんてできひん
可愛い顔をして流星を見つめている。
これでいい。
「あとは、」
「まだあんの!?…はぁ、最低…、次は何?」
「…好きになって、ごめん」
「…」
「俺のせいで、2人に迷惑かけて、
神ちゃんのこと傷つけて、…ほんまに、ごめん。
俺、絶対に邪魔なんてもうせえへん!
仕事以外では関わらんから、…幸せ、になってください、」
「…」
「ん、神ちゃん、行こ?」
「う、うん、」
「んなな、シゲ」
「おん、」
「シゲ」
「…ん?」
「流星、先行ってて」
「…じゃ、外おるわ」
「えっ、」
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作者名:suta. | 作成日時:2023年6月30日 22時