rd× 入れ代わり7 ページ40
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「神ちゃーん！！おはよー！！」
「ふふ、のんちゃんおはよぉ」
「昨日大丈夫やった？」
「え？昨日？」
「うん！だいぶ酔ってたやん！シゲが連れってくれたんよ？」
「…シゲが？」
「…ごめん」
顔を上げると神ちゃんは、下唇を噛んで涙を溜めていた。
俺のせいで、また傷つけた。
「…どうせなら、流星がよかった。」
「ごめん、あの、」
「勝手に家入らんといて。」
「…ごめん」
「シゲが着替えも？」
頷くと、拳を握りしめてプルプルと震わせた。
最低や…なんて聞こえる。
「え、神ちゃん俺がいいの？」
途中から流星がソファから身を乗り出して
神ちゃんに尋ねた。
別れてからは、会ってなかったらしいけど、
神ちゃんが見せる表情はいつでも幸せそうや。
「…うん、俺、流星が好きやの。」
「ふふ、やっと？」
「うん、好き。今度は、ちゃんと付き合って。」
「ええよ、キスの先もしてええの？」
「うん、流星とならええよ。」
「とも、おいで」
流星が手を広げたところに嬉しそうに神ちゃんは近づいた。
行ってほしくない。
俺のことが好きなままでいてほしい。
その手に触れないでほしい。
…神ちゃんは、俺の、なのに。
「神ちゃんっ！！」
「…りゅうせぇ、ちゅーしよ？」
「シゲ呼んでるで？」
「ええの、ちゅーしたくないん？」
「あかんって、俺のことが好きなんやろ？」
「なんの話？」
「神ちゃん、話終わってからにしよ？」
「嫌やっ、流星、ともって呼んでっ
シゲなんかいいから、ちゅーしよ、お願い、」
一瞬戸惑った流星は、神ちゃんの涙をそっと指で拭った。いつも通りに抱き寄せて、隣に座らせると、ぐずぐず泣いている神ちゃんの頭を撫でた。
俺は見てるしかできひん。
だってお似合いなんやもん。
白くて可愛い神ちゃんの隣には
スタイルが良くて、優しくて、イケメンで、
気遣いもできて、男前で、
似合ってる。
流星がいいに決まってる。
それに流星はさっき、神ちゃんに「やっと？」って言うた。
神ちゃんのことずっと好きやったんやろ？
今泣いて神ちゃんが寄るのは流星で、
流星がよかった、なんて泣くくらい流星が良くて、
…俺なんかなんの勝ち目もないやんか。
「…お似合いや、その方が」
「シゲ？どないしたん？こんなとこで、」
後ろのドアが開いて、小瀧が入ってきた。
その後ろには濱ちゃんも居て、どうしたん？って中を覗く。
「お似合いやなって。あとはあいつらに聞いて、」
そう言って外へ出た。
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作者名：suta. | 作成日時：2023年6月30日 22時
