rd× ページ26
「んでなっ、」
「のんちゃん酔うてるね、」
「かみちゃんもやんー！」
「へへ、そう？」
結局酔ったのんちゃんに押し潰されて
シゲは流星の隣に行ってしまった。
寂しいなあ…。
でも、酔った勢いは絶対嫌！
もう失敗したくないし、俺も傷つけたくないし。
「あー、もう！望可愛い！家帰ろ？な！」
「りゅうせいつれってぇ、」
「ん、会計してくるから、待ってて」
「いやぁ、りゅうせいとおるー！！」
ぐずぐずになったのんちゃんは、流星を抱きしめて離さない。
俺らはあいも変わらず置いてけぼり。
慌てて俺は伝票を持った。
「俺、会計してくるから、
先に流星タクシーで帰り？のんちゃん大変やろ？
シゲも手伝ったって！今日はみんなありがとう、じゃ！」
カバンを持って部屋を出ると出口付近で会計を済ます。
シゲが俺にごめんなって声をかけて先に出た。
その後にのんちゃんと一緒に流星が歩いて、
「神ちゃんごめんな、」
なんて男前な顔が台無し！
じゃあね、って手を振って、俺も後から店を出た。
一緒にご飯食べれただけでも一歩前進！
2人じゃダメってわかったし、次からは誰かを誘おう。
ふーっ、俺も飲みすぎちゃった。
お水買って、タクシー呼んで、それから…、
「シゲ？」
「ん？」
「タクシー、捕まらんかった？」
「いや、」
「そ…、じゃあ気ぃつけてね」
コンビニ目指して歩こうとすると急に手を引かれて
転びそうになった。
おっとっと、ってバランスを取っていると、小さくごめんって聞こえた。
「そうじゃなくて、」
「…？
あ、お会計？気にせんでええよ？俺が誘ったし、」
「…」
「まだ飲み足りひん？」
「…いや、」
「どしたん？お腹空いた？」
「ちゃう、」
「シゲ？痛い、かも、腕…」
「あっ、ごめんっ、」
パッと離された拍子に後ろにもたついて、
いつもならこけへんはずやのにそのまま尻餅をついた。
「いったぁ…」
「ご、ごめん！！大丈夫！？」
差し出してくれた手を握らずに立ち上がってついた砂を払った。
シゲに心配かけたくないし。
「大丈夫！じゃあ、俺タクシー拾うわ、」
「うん、ごめんな。」
「じゃあね、」
「ん、じゃあ、」
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作者名：suta. | 作成日時：2023年6月30日 22時
