rd× ページ23
「なっ、なぁ、シゲ、抱いて」
「…それは流星の代わり？」
「違うっ…俺ずっと」
「流星が好きやったんやろ？ …はぁ、」
「ちょっ！シゲっ！！」
すぐ後ろのベッドに沈むと、すぐにタオルで前が見えなくなった。
「シゲっ、外してっ、お願い！」
「…」
「ぁっ…んっ、/ シゲっ、ぁあっ、/」
暗くてわからない。
シゲの手の動きもいつもと違う。
怖いっ…シゲじゃないみたい。
顔が見たいのに、それすらもう言えなくなってた。
体中にシゲの手が触れて、足を無理やり開かされると
押さえつけるように、体重をかけた。
怖いのも
シゲに信じて貰えなかったことも
誤解が解けないまま進んでいくことも
ぜんぶ涙になるけどタオルが吸収してしまうから。
「シゲっ、嫌っ、やめてっ、/ お願いやからっ…！」
足でジタバタ暴れてもシゲは離してくれへん。
それだけじゃなくて、俺の手を束ねてベルトで縛ってしまった。
「嫌やっ…！シゲ！離して！嫌やって！！」
「…やっぱり、俺じゃ嫌なんやろ」
「えっ、…」
「泣くくらい、嫌なら早く言うてや…っ、
っ…、ごめんな」
「シゲ…？どこ行くん？シゲってばっ、」
物音がする方を見てもタオルのせいで何も見えへん。
でも確かにシゲが離れた。
両手で空中を切ってもなにも当たらない。
「ごめんな」
そう言うとベルトが外されて、唇に何かが触れた。
すぐにタオルがなくなって、眩しい目を擦ると、
部屋にシゲはもう居なかった。
慌ててタオルケットを掴んで玄関にむかうと
靴を履いたシゲが玄関を出るとこやった。
「シゲっ、どこ行くん…っ、待ってっ、」
「鍵、テーブルに置いた。」
「なんでっ、置いて行くん…？
一緒の仕事やんっ…、嫌やっ…行かんとって、」
近づくたびにシゲが眉を顰めて、真っ赤になった目に力を入れた。
下唇を噛んでにかって、笑うとすぐ玄関を出て行った。
追いかけたくてもこんな格好じゃ出れへん。
「シゲっ…」
寝室に戻って着替えを探した。
あちらこちらに散らばってる…。
あ、そう言えば俺，暑くて脱いだんや…、
シゲが持って来てくれた着替えも投げた。
「えっ ちしよ、」
なんてシゲのこと誘って、キスまでしに行ったくせに、
「りゅうせぇ、」
なんて、最低や。
…シゲの顔覚えてる。悲しそうに口歪めてた。
嬉しかったのに、きっと流星に相談してたから、
早く伝えたかっただけやねん。
「しげ、ごめんね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：suta. | 作成日時：2023年6月30日 22時
