ともくんの6 (ページ21)

今日:30 hit、昨日:61 hit、合計:55,234 hit

rd× ページ21

ガラッ

「おお〜神ちゃん！」

「あ、あぁ、おまたせしました」

行くのを少し躊躇ったせいで、もうみんなは出来上がっていた。
のんちゃんは、流星にもたれかかって、
その流星は気にせず、シゲにぎゃーぎゃー喚かれてる。

「神ちゃん！こっち！！」

バンバン横を叩いたのんちゃんの隣に腰掛けた。

「…なに？」

前を見たら、ロックに切り替えたのか
カランと音を立てて一気に飲み干したシゲが
俺をじーっと見てる。

「来たんや」

「…うん、あかんかった？」

「んーん、神ちゃんに会えて嬉しい」

「ありがと」

来たんやって、何？
あかんかったん？なんであかんの？

「神ちゃん！見て！！」

隣を覗くと流星にべったりなのんちゃん。
そんなの見せて嬉しがってるとこも可愛い。

「ふふ、ラブラブやね、」

そう言うとにぱあ！って満面の笑顔で今度は俺に抱きついた。
大きな体でぎゅうぎゅうと潰すと
嬉しそうに俺に頬を擦り付けた。

「あー！俺の神ちゃん！！返して！！！」

シゲが大きな声を出してもお構いなし。
へへ、なんて笑っては流星の写真に喜んで写った。

「神ちゃん！小瀧から離れろ！！」

「えっ、」

「だめ！！俺の！！」

「ちゃうわ！俺のや！！」

俺のって言うてくれるなら、今日連れて帰ってくれる？
朝まで一緒に居て、仕事一緒に行ってくれるん？

…そんなんわがままに決まってるやんな。

「神ちゃん、今日ずっと元気ないな」

「えっ、」

俺より先にシゲの声が響く。
流星にバシっ！って叩かれて頭を抑えた。
元気ないことないのに。
大丈夫やって。

「え？そう？お酒足りてないかも！！」

さっき持って来てもらったハイボールを慌てて煽った。
おおおー、なんて声が聞こえて、空になったグラスをドンって置いた。

目が合ったシゲは心配そうな顔をするけど
俺は気にせずにさらに追加した。
乗せてれた唐揚げを頬張った。

正直味なんてわからへん。
でも、泣きそうになる前に全部食べてしまうしかなかった。

「神ちゃん、？」

「ん？」

「大丈夫？」

「だい「大丈夫に決まってるやん！！ほらもっと食べ？」

「…」

「ん！ありがと！」

乗せてくれたのをどんどん口に入れて
流星に笑いかけると、可愛いなって言うてくれた。
シゲが眉を顰めるけど俺には関係ない。
シゲには俺の気持ちなんか、迷惑になるから。

2杯目で必死に流し込んだ唐揚げが
俺の気持ちも蓋してくれるから。

酔ってなんか、ないから。