rd× ページ20
いいなあ、2人は。
一緒の家に帰れて羨ましいな。
「今日の飯何？」
「え？あー、肉残ってたから、丼かなあ…」
「やった！ほんなら合う酒買って行こ！」
「はいはい、ほんま淳太くん飲むの好きやなあ。」
なんて、楽屋を出て行った。
おにい2人ほどじゃなくてもいいから、俺も甘えたい。
一緒に帰ろ、とか。
今日は泊まって、とか。
次も会いたい、とか。
「神ちゃん？」
「のんちゃん…、」
「悲しそうな顔してる。大丈夫？」
のんちゃんだって、流星がおるもんな。
なんだかんだのんちゃんには甘い流星。
食べてるものもはんぶんこ。
わざわざのんちゃんの好きなもの頼んで2人で分けて。
ドリンクだって一本分けて飲んで。
使ってるものもお互いで貸し借りして。
こないだなんか服もシェアしてた。
「んーん、大丈夫。疲れただけやで」
「望ー、」
「はーい、待って、神ちゃんと」
「流星っ、のんちゃん返しまーす！！」
「神ちゃん…」
「大丈夫っ、早よ流星と帰り！」
「…でも、」
「いいのいいの！」
「…うん、じゃあ、お疲れ」
「お疲れ様！」
流星はのんちゃんが来るのを見つけると
それはそれは優しそうに笑って、そっと腰に腕を回した。
愛されるって、ええなあ。
「神ちゃん、帰る？」
「えっ、あ、うん！」
「じゃあ最後頼んでいい？」
「うん、」
「おつかれー！！」
濱ちゃんが出たあと俺はカバンの中に荷物を入れた。
今日の収録にシゲは居なかった。
別に寂しくなんかない。
俺はシゲの恋人なんやから。
ただ、会いたい、って言えへんだけやから。
『お疲れ様！！疲れた！もう終わった？』
「「おつかれさま」」
『もう疲れたわあ！神ちゃんも気いつけてな！』
「「うん、ありがとう」」
…会いたい
あれ…前はいつ会ったっけ、そっか、もう覚えてないや。
シゲのことが嫌いなわけじゃない。
でも、シゲに甘えて、嫌われる気しかしない。
「シゲ、別れよう」
これなら簡単に言えるのに。
どうして、嫌われたくないなんて俺はわがままなんやろう。
〜♪
「なーに」
『神ちゃん、飯食いにこん？』
「んー…」
『シゲも来るんよ！』
「えっ、」
『仕事終わったから！おいでや！神ちゃんも！』
「あ…うん、えっ、と、」
『じゃあ俺んちで！』
「…うん、わかった、」
シゲ、帰るんじゃなかったん？
疲れたって…疲れて帰るんじゃないの？
「…シゲは、俺に会いたいわけ…、そっか、ないか、」
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作者名：suta. | 作成日時：2023年6月30日 22時
