rd× ちゅーして8 ※ ページ10
「…俺ものんちゃん、うらやましかった」
「なんで？」
「だって、のんちゃん、シゲとぎゅーできるから…」
言ってから気づいた。
顔を上げたすぐ先にシゲがおる。
それも心配そうにこっちを見て、唇を噛んでいる。
「ごめん…シゲ俺のために我慢してくれてるのに…。
でも俺ほんまシゲにっ…」
触れたかった。
そう言おうと思って慌てて口をつぐんだ。
シゲは我慢してくれてたんやし、俺なんかじゃ。
俺の独りよがり。もういい加減辞めないと。
「俺に？」
「なんでもない。シゲ、早よベッド行こ？最後やねんしっ」
「…うん。でも俺せえへんで」
「なんでっ、…？
やっぱり俺となんてでけへん？」
「違うよ、俺、神ちゃんのこと大事にしたいしっ、
…俺が下手くそなせいで神ちゃん痛い思いさせてんもん。
最後くらい我慢せんでいいから！
俺、神ちゃんとおれるだけで十分！」
「…シゲ、俺、痛くないっ、
ほんまに気持ちくて、すぐイッたらシゲの迷惑なるし
我慢してたんっ…」
「ほんま？神ちゃん、俺っ、嫌われたと思ってた
俺、神ちゃんほんまに好きやねん。」
この水滴はお湯じゃない。
でも、どんどん溢れてきてる。
好きが止まらんくて、もう止まらへん。
「シゲ、俺さっきも嬉しかったのにっ…、
謝らんといてよっ、シゲ俺でも興奮する？」
してるよ、何回も言うシゲに思わず抱きついた。
シゲの逞しい背中に涙が伝って、ザバっと音を立てた。
「シゲっ、/ 重いっ、やろ？」
「んーん。とも、このままちゅーして、」
「んっ、/ ぁっ、/」
してって言うたくせに俺のことを担いで
風呂の壁に押し付けると強引に唇を重ねた。
駅弁？なんて言うん？これ、
膝裏に入れた腕が壁に押し付けた体を更に密着させる。
「…我慢、せんでええの？」
「う、うん、」
「めっちゃ優しくしたいのに、このまま抱いちゃいたい。
…どうしよ、いい？」
「ぅ、うんっ、あの、」
「ん？」
「ちゅー、たくさん、して、？」
「ずっと言えんくてごめんなさい」
「んーん、俺も神ちゃんずっと大事にしたかってんもん」
「…しげ、女の子やなくてもいい？」
事後の疲れ切った顔で、目を丸くさせた顔は最高以外になにもない。
もちもちの頬に手を当てて特大のキスをした。
「当たり前やろ！！
俺、あの飲み会許してへんからな！？」
「っ…やや、許してよぉ」
「っ！/ 許す！許します！！」
あぁこれからも悩まされたいなあ、なんて、笑
fin.
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作者名：suta. | 作成日時：2023年1月14日 14時
