rd× ぎゅってして2 ページ47
「神ちゃん、寂しそうやったで」
俺が聞かされたのはドラマも映画も落ち着いた頃。
携帯を眺めながら自分のご褒美選んでた。
新しいスニーカーもええしなあ、
なんて呑気なこと考えてたら、いつもはアホっぽいくせに
的を得たようなこと言いやがった。
「そーなん？俺甘やかしてるからわからんわ、」
こないだもケーキ買って帰ったし、ええやろ？
神ちゃんが食べたいって言うてたチョコレートケーキ。
ちゃーんと買って帰ったし、喜んでたで？
「神ちゃん、帰るで」
「あっ、うん、ごめんお待たせ。
今日のんちゃんたちも家行っていい…？
俺準備するし、お酒は買ってきてくれるって、」
「ん、ええよ」
「ごめんな、ありがとう」
「神ちゃん、これは？」
「あ、これ使って！ごめんごめん。」
小瀧が一緒にキッチンに立って料理を手伝ってくれた。
広いキッチンはいつも神ちゃんしか使わへんから珍しい。
俺らテーブルセットして、ガヤガヤ言いまくってる。
「神ちゃん、今日は飲むやろ？」
「んー…片付けあるしごめんね」
「片付け俺やるから飲みや」
「ええの？ごめんな」
食事も並んで酒も入った頃、神ちゃんは刻々と寝そうになり始めた。
頬を撫でると、ごめん、とハッとしてまた可愛い顔を見せる。
白いもちもちした肌がまた可愛くて。
「神ちゃーん！おいで！！」
「のんちゃん…、ふへへ、ぎゅってして、」
「したるしたる！可愛い！なあ、流星！」
「おん、俺のとこにもおいでや」
でっかい2人に可愛がられてるんはめっちゃ可愛い。
余計ちっこくて、赤ちゃんみたいや。
「へへ、ありがと」
甘えたい声出して、ぎゅってしてやなんて、
…ぎゅってして？
「「神ちゃん寂しそうやったで」」
「「ぎゅってして、ちょっと寂しなった」」
「「さみしいからぎゅーして」」
「寂しい…？」
「ん？シゲなんや！ヤキモチか！？」
ふんっ、なんて言うて小瀧が神ちゃんを強く抱きしめた。
「神ちゃん、今、寂しい？」
「んぅ…、ぅん、さみしい」
俺の声に甘えた声を出しながら、
小瀧の腕をぎゅっと抱きしめて小瀧の胸にもたれかかった。
流星が頬をプニプニして赤ちゃんみたいな扱いを受けても
嬉しそうに笑って見せた。
「ぎゅーしたげるよ、おいで」
「んう、する〜♡」
小瀧と流星を押し退けて俺に飛びついた。
自慢の頬を俺の胸に擦り付けてすうすうと鼻で息をする。
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作者名：suta. | 作成日時：2023年1月14日 14時
