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rd× 浮ついた気持ち4 ページ41

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シゲは今日も俺の隣に座る。
くっさいにおいまといながら。

カーテンの隙間から車の外を覗いていると
何かを思い出したのか、シゲが車を降りた。

何人かは残ってて話声が聞こえる。
照史と濱ちゃんかな。楽しそうに笑ってる声が聞こえた。

「かーみちゃんっ!」

「んもぉ、のんちゃん狭い〜っ!」

座席なんかフル無視でぎゅうぎゅう俺に乗っかってくる。
おっきい弟かわええけどな。

「俺、ここすーわる!」

「んも、俺寝るで?」

「うん!ええよ!」

寝かせる気なんか無いくせにそんな風に甘えて、笑
のんちゃんに押し潰されながら出発を待っていると
シゲも帰ってきた。

「…小瀧、そこ」

「俺ここ座る!たまには代わってや」

またのんちゃんが俺にほっぺを押し付けてくるから
されるがまま戯れあっていた。
どうせこのままなるんやし、

「あかん。俺が隣」

そういうとのんちゃんの手を引いて立たせた。
ぶうぶう言いながらのんちゃんが駄々をこねてる。
俺もシゲの隣よりのんちゃんがええしなあ、

「いいやん。のんちゃんおいで?
 シゲ、代わってあげてよ、たまには」

「…嫌。神ちゃんの隣がいい」

そう言い放つとアイマスクとイヤホンをして
腕を組むとすぐ眠ってしまった。

「なんなん!家でラブラブのくせに!!
 たまには神ちゃんがよかったー!!!濱ちゃん!!!」





「…ごめん。」

「大丈夫」

「…隣に、いたくて」

「そう、」

「…神ちゃん、寝る?」

「…大丈夫」

「…これ、よかったら」

俺の好きなお菓子。覚えててくれたん…?

「…大丈夫」

「そっか、おーい、小瀧!これお詫び!!」

そういうと後ろを振り向いてのんちゃんに
さっきのグミを投げた。

「えっ、これ神ちゃん好きやん!!ええのー?」

「うん、俺今日はいい〜!」

そう大きな声で言うとシゲは眉を下げて俺に笑いかけた。
のんちゃんが美味しそうに食べて甘いにおいが車内に広がる。
そのグミやって、たまたまかもしれへんし。

喉が渇いたなってペットボトルを手に取ると
もう飲み干してしまいそうな量。

買いに行こかな、そう思っていると出発の声が掛かった。

「神ちゃん、お茶、いる?」

「えっ、」

まるで俺のことがわかるかのような態度。
何もわからんかったくせに。

「大丈夫」

「そっか、いるようになったら言うて」

「大丈夫」

ん、と短く返事するとまたアイマスクをつけて眠ってしまった。
俺の肩に頭を乗せて。

ふと手繰り寄せられた手はしっかり握られて。

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作者名:suta. | 作成日時:2023年1月14日 14時

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