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rd× 浮ついた気持ち ページ38

シゲはまた浮気をした。

俺に連絡せず、女の子とご飯に行った。

連絡できんかった。

わかってくれるやろ?

仕事やねんから。

俺だって行かんといてって言うてるわけやない。
でも、俺のこと考えるのって嫌なんかな?

「ただいま」

「…」

「神ちゃん、今日」

「…」

「連絡せんくてごめんな」

「…」

「神ちゃんってば」

「…」

「はぁ、」

それなら、俺だって。

「もしもし」

『神ちゃん!今から呑み行く?』

「え?今から?」

のんちゃんはそんな俺を気遣ってよく飲みに誘ってくれる。
今日は、俺の番やな。

「んなら、うち来る?」

『え!!行きたい!』

「は?今から?なんで?」

「のんちゃん、待ってるね」

後ろで会話を聞いていたのか部屋着に着替えたシゲが
ペットボトルを握りしめたまま俺に話しかける。
横まで気付きながらも知らんぷりしてキッチンへと向かう。

「なあ、なんで今から小瀧呼んだん?」

「…あ」

「なに?」

「お醤油買わないと」

「なにそれ」

「あ、でももう要らんのか」

「は?要らんって…」

つまみを折角やしと思って小鉢に詰める。
のんちゃんが好きなつまみを思い浮かべて作るって楽しい。
誰かを思って料理するって幸せやんな。

「なあ、なんで無視なん?」

「っ、」

腕を掴まれてその拍子に包丁で指を切ってしまった。
思わず引いてしまって傷口から赤色が滲んだ。

「痛っ…、」

「神ちゃん、ごめん!止血しよっ」

シゲが慌てたせいでまた食器が落ちる。
拾おうとしてシゲの頭に勢いよくぶつかってしまった。

「いっ、…」

「ぅ、ごめん!大丈夫?顔っ、.」

頬骨を強く打ってしまってジンジンする。
これは腫れるやろうな。そう思うけど今は止血や。



〜♪



「着いた?」

『うん!あ、中入れそう!行くわ!』

「神ちゃん、ごめん、これ貼って…」

持ってきてくれた絆創膏をスルーして、洗面所へ向かう。
適当やけど綺麗に洗って、傷口を抑えた。
ズキズキする頬を見るとすでに赤く腫れてきている。
のんちゃん、心配するやろなあ、

「神ちゃーん!来たでー!」

「あ、のんちゃん!いらっしゃいー!」

「え!?どしたん!!その顔!」

「さっきこけてもうてん。な、シゲ!」

「え?」

「シゲおんの??ほんなら3人でのもや!」






「神ちゃん、そろそろやめ」

「のんちゃんっ!これものも?」

「うん!飲む!これさあ、神ちゃん好きやろ?」

「神ちゃ」

「すき!だーいすき!」

「俺も好き!」

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作者名:suta. | 作成日時:2023年1月14日 14時

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