rd× cover ページ32
「神ちゃん！！」
「どしたん、急いで」
「なんであんなことしたん！！」
「あんなことって？」
「俺のっ、俺の…っ！」
「あぁ、そんなん、ええよ。俺ら似てるし」
楽屋に飛び込むとみんな集まってたのか視線は俺。
でも、今目の前にいる神ちゃんに誰も気づいてない。
「たしかに！もんちそっくりやからな」
「そうそう！俺も後ろわからんかった！」
「でもシゲやと思うと嫌やったわあ、」
なんてケラケラ笑いだした。
そん時の写真見せあって、どんな格好しても可愛いやなんて。
「シゲ？あかんかった？ごめんな、俺っ…！」
「シゲっ！」
気がつけば神ちゃん押し倒して馬乗りになってた。
腕捕まえて床に貼り付けると、抵抗する気なんか目を見開いた。
許されへん、ましてや俺のせいで。
「シゲ？どないしたん？」
「シゲっ、嫌っ！離して！」
「黙れよ、」
頭上で両手を束ねると嫌々と振る顔を掴んで正面に向ける。
見開かれた目にはたくさんの涙が溜まった。
そんな目で見ても困る。そんな涙なんかいらへん。
「シゲ！やめろって!」
その声と同時に体ごとツインに引き剥がされた。
俺もこんな男二人に剥がされたら抵抗できひん。
されるがままに離されると、神ちゃんの小さく泣く声が聞こえた。
「どうしてん、シゲ、お前…。」
「神ちゃん、襲われたんやろ」
「えっ」
「そーなん！？」
「なんでっ…」
ほら、知らんかったくせに。
こんなに経つのに誰にも話さんかったんやろ？
その手首の赤い跡。まだ消えてへん。
「俺の代わりしたせいで」
「えっ、」
「…なんで言わんかったん！？」
そもそも、同じグループに身代わりさせるなんて。
事務所もメンバーも許されへん。
「俺には代わりした話も、
襲われたことも言わんかったんはなんで？」
「…ごめん、」
「泣くならさっさと言えや」
「おい、シゲ、そんな言い方っ、」
「赤い腕の跡も、背中の傷も。」
「傷ってっ…もんちほんまか？」
淳太と濱ちゃんに背中をさすられてもまだ泣いてる神ちゃんに
トドメを指していくのは俺。
傷つけて、泣かせたのも俺。
また怖いさせたのも。もちろん俺
「…ごめんっ、あの、俺、…」
「のんちゃんは悪くないよ…っ、
黙っててごめんなさい。別に大丈夫やから、」
「大丈夫？あんなことされといて？慣れてんの？
もしかして喜んでたとか？」
「あんなことって…？」
みんなの目線は神ちゃんに。でも腹の虫が治らん。
「男に襲われて、嬉しいんやな」
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作者名：suta. | 作成日時：2023年1月14日 14時
