ともくんの4 (ページ25)

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rd× お好きにどうぞ　4 ページ25

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「神ちゃんっ！」

「あ、しげ。お疲れ様」

「昨日ごめん！俺、」

「俺こそごめんね。知らんくて帰ってしもた。」

「違う！あの、あれは違うねん！」

「ええ〜、ふふ、隠さんでええんよ？」

楽屋で片付けを終えた神ちゃんは
ニヤニヤして俺を見上げた。

「違うねん、あれは！」

「…？
　なんでそんなに隠そうとすんの？
　あ、もしかして言いたくなかった？ごめんね、
　でもまだ俺言うてないから！」

ケータリングのオレンジジュースを口に含んでまた微笑んだ。

「…今日は一緒に」

「あ！そのことやねんけど、
　マネージャーにちょっとだけ相談してんね？
　ほらいっつもシゲばっかりに頼ってたからさあ、」

「待って。それって、俺もしかして」

「うんっ、彼女もおるんやし、今までありがとうなあ、
　これからは1人で住むことにしてん。
　あっ、でも心配やからって、濱ちゃんが俺の」

「…そっか、」

あとの言葉が聞きたくなくて上着を手に取った。

「シゲ？」

「俺もせいせいするわ、
　めんどくさい恋人役演じさせられとってんからさ」

「ごめんなあ、俺がシゲがいいなんか言うたせいで…」

「ほんまやわ、んなな」

バタン！！と大きな音を立てて部屋を出ていった。
神ちゃんには俺以外にも他の人がおるし、
俺が恋人になられへんことはわかってた。

それでも、あの時間は俺にとって大切やったはずやのに
俺自身があの時間を否定してしまった。

それが1番悔しかった。