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rd× お好きにどうぞ 3 ページ24

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「ただいま…っ、」

「あっ、神ちゃん!!おかえ「ごめんなさい!ごゆっくり」

最悪や。最っ悪や。

最っ高に見られたくない瞬間やった。

「え?あかんかった?」

「おん。最っ高にな」

「まあでも神山さんもシゲ好きやないんやろ?」

「そんなことより早よどけや」

最悪。鍵変えてへん俺が悪い。
合鍵のことなんかすっかり忘れてた。
ってかそもそもなんで来たん?

しかも今日に限って。

慌てて女追い返して神ちゃんに連絡しても繋がらない。
やっとついた既読には


どした?


たったそれだけで。
俺の不在着信が並んでるのにこんなけしかくれへんのかって
悲しくなって、でも俺、今日は伝えたいことがあんねん。

「も、もしもし!神ちゃん!!今どこ!?」

『ちょっと、声大きいで』

「ほんなんええねん!今どこなん!」

『今?友達んちやけど…』

友達?思い当たる節なんか全くない。
ただ神ちゃんが今どこにおるかが知りたい。
会って誤解解きたい。

「迎え行くから、近くまでっ」

『シゲ?どしたんって、俺今日は帰らへんで?』

帰らへんって…じゃあこのケーキは?
唐揚げだって約束したのに。

「なんで!今日は一緒に過ごすって言うたやん!
 ケーキ食べて、唐揚げやってっ!」

『あぁ、それの話?冗談やと思ってた。もうええんちゃう?』

「とりあえず、迎えに行くから!どこか教えて」

上着を手に取って、財布と車のキーを鞄に押し込んだ。

『彼女来てんのに来たらあかん。』

「神ちゃんっそれは違うくて」

『シゲは恋人やないんやし…お好きにどうぞ』

ブチっと無慈悲に切られた電話を片手に膝から崩れ落ちた。
確かに俺は恋人やない。
ましてや神ちゃんを引き止める権利もなにもない。

でも、ほんまに心から好きやった。

愛してた。

だから好きになって欲しかった。

携帯のトークに戻っても神ちゃんからのメッセージはない。


『『お好きにどうぞ』』


その言葉からもわかる、神ちゃんが俺に興味がないこと。
ましてや俺に恋愛感情がないことも。
ごめん、ただそれだけ呟いて俺はケーキを冷蔵庫にしまった。

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作者名:suta. | 作成日時:2023年1月14日 14時

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