ともくんの4 (ページ22)

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rd× お好きにどうぞページ22

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可愛い神ちゃん

「くふふ、シゲこれ食べぇ」

「ありがと！神ちゃんも」

「んわ、ええの！？食べたかってん！」

だって俺も神ちゃんの食べたいもの選んだもん。
こっち、絶対好きやろなあ、って。

「ありがと〜♡おいひぃ〜！」

「ついてんで？」

口の端に少しだけついたクリームを
キスと同じように舌で舐めとった。

「も！しげのばかっ！！/」

「うわ、怒っても可愛い!」

なんちゃって。ぽかぽか殴られてるのは置いといて
そんなとこすら可愛いから仕方ない。

こんな可愛くてもさ、神ちゃん俺のこと好きじゃないから。

なかなか神ちゃんに好きなんて気持ちが伝えられずに
一生隠そうと思ってたのに。

「神山さんが狙われてるそうで」

浮いた話の一つもない神ちゃんは
女の子から好奇の目で見られてる。
ええように釣れるアイドルだかなんだか。

でもさ、それだけやないのが許されへん。

「神山さん、裏方にも結構人気で」

おじさんたちの好奇の目に触れてたなんて許されへん。
元々神ちゃんと近かった俺。
そんなん相手役になれるなら、望むところや。

「俺は大丈夫。必要ないで、？

　シゲにそんなことさせられねん。」

必要ないのは、相手の存在なのか、俺なのか。
それは聞かれへん。けども、マネージャーからの押しに負けて
結局は同棲してるカップルということになった。
俺でよかった？そう聞けば、シゲがいいならシゲがいい。
なんて俺を堕とすにはバッチリの物言いやった。

ちなみに望も同じ理由で流星と住んでいる。
あいつらはお互い好きやったから、その後押しで見事成立。

「りゅうせい、だあいすき」

酔ったあいつから聞いた時はほんまにびびった。
神ちゃんも真っ赤になって笑ってたけどな。

「シゲ？」

「あっ、ごめん、」

「んーん、おかげでカメラマンさんどっか行ったわ」

ありがと、小さく言った神ちゃんはまたそっと離れた。
撮影場所はほんまに冷や冷やする。
俺はドキドキしてるのに、こんな冷め切った表情は全く俺に興味はないんやろう。

「帰ろか」

そうカバンを持つと俺に腕を組んでお疲れ様です、そう頭を下げた。

「ん、ありがと」

離れた廊下では俺から腕を離して歩き始めた。
今日はもう一件仕事グループであるからそれだけ行かないと。

「シゲ、寝ててもいい？」

「おん、かまへんよ。
　おやすみのちゅーはいる？」

「ん、ちょーだい」

車はマネだけやのにこんな風に甘えるなんて。
いつもより少し長めにキスを落とした。