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「えっ…」

「昨日帰ってしもてごめん
 あのあとほんっまに反省した…、
 俺、用意してきてん、なんも食うてへんやろ?。」

「ちょ、っと待って、
 俺しんどいなんかひとことも…」

「うん、でも気づいてるよ、」

俺に一歩一歩近づいてくる。
動きたくても立っているのが精一杯の体じゃ
うまく逃げることもできんくて。

「昨日はカッとなってごめん…。
 神ちゃん、体休めないと、」

「だいじょぶやから、
 もおねるし、しんぱいせんとって」

「神ちゃんっ、そばにおらせてや」

…シゲが言うなら、起きとけばいっか。
座ってれば大丈夫やろうし、

「わかった、中入って」

壁が遠い、

関節が痛い。

頭がくらくらする。

お茶飲みたい

「神ちゃんっ!」

「ん?」

「はよベッド行こ?俺、持って行くし」

「だいじょぶやで、それよりおちゃ、」

「神ちゃん!!」

「おっとっと…、へへ、ごめんごめん。
 なんか、つかれてんのかな。たちくらみが」

壁にもたれようと手を伸ばしたけどうまく行かんてそのまま倒れた。
シゲが支えてくれたものの一度座り込んで仕舞えばもう立てない。
あかん、シゲとは別れたんや。
壁に爪を立てて立ち上がる。
ベッドまであと少し。こんな距離どうってことない。

「神ちゃん…っ、」

急にふわりと体が持ち上がった。
シゲが抱き上げてくれたと気づいたのはベッドに降ろされたとき。
冷たくなったシーツに体が当たって気持ちいい。
でも、布団を被っても寒いまま。
エアコンのリモコンは落としてしまって手が届かない。

「ん、これ、飲み」

「ありがと、ごめんね」

渡されたペットボトルは封が開いていて、
上手く力が入らない俺はパジャマを濡らしてしまった。
冷たっ…、起き上がれないまま含んだ水は
余計に俺のパジャマを濡らして一気に寒さが走る。

「飲めた?」

帰ってきたシゲにバレないように布団を深く被った。
頷くと嬉しそうに俺の額を撫でた。
手に持っている体温計を俺に近づけるから慌てて体を横に向ける。

「…測るだけやから」

「だいじょぶ、じぶんで、」

「…すぐ終わるから。っ…なんでこんなに濡れてんの」

「あせっ、かな、」

「…着替えよか」

「だいじょぶ、」

「…俺が嫌。ともの体みたいから見せて。」

そういうと俺のパジャマのボタンを外してはらり、はらりと
両脇に落とした。

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作者名:suta. | 作成日時:2023年1月14日 14時

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