rd× 3 3 ページ14
「げほっ…げほっ…、っ、さぶっ…」
昨日、シゲとも別れてから
1人になった途端力が抜けて倒れてしまった。
倒れたって言うてもしんどさが一気にきて、熱上がっただけやけど。
仕事休みやし助かったけど
今日は流石に治さないとなあ…。
なんてったって飲み物すら取りに行かれへんくて
どうしても行きたいトイレに行くときに持ってくるのがやっと。
寒いし、薬も買いに行きたいけどこんなんじゃ外に出られへんし。
…シゲに会いたいなあ。
俺、看病してもらうの夢でさ。
いっつも一人で治してるから、変わらんねんけどさ、
別れたくなかったなあ…。
シゲ、好きな人できちゃったんや。
わかってても悔しいなあ、俺じゃダメやったんやなあ。
「っ…ぐすっ、ぅ、うっ、…っ、」
〜♪
「もしもし」
『神ちゃん?』
「ん、どしたん?」
『今からそっち行ってええ?』
「あー、ごめん。俺、今日用事あんねん」
『えっ、まじ?なあシゲ、用事あるって言うてんで』
え?シゲ?
あー、そっか今日のんちゃんシゲとロケ行くって言うてたな。
風邪うつさんでよかった。
『神ちゃん?』
「ん?」
『…俺、今日家行くから、欲しいもんある?』
「いや、ないけど…。ってかシゲ、俺今日無理やっ『行くから』
いつになく強引なシゲ。
でも今来られたって絶対うつす。
それにこんな姿見せたくない。
なんか上手いこと言われへんかな…、
あかん、熱で頭が回らへん。
『じゃ』
「はっ、えっ…、」
どうしよう、飲み物すら取りに行かれへん俺が
シゲたちが来たらそのまま座ってられるんやろか。
〜♪
こんなに早く?やばい、着替えもしてない、
でもとりあえず出ないと、
ガチャ
そっか、シゲは鍵持ってるから、
ってあかんあかん。
「はやかったね」
慌てて起き上がるとしんどくて思ったように体が動かん。
行かなきゃ
「神ちゃんっ」
「あっ、シゲ!もう俺今日無理やのにぃ〜」
頬を膨らませて玄関にいるシゲに歩み寄った。
足に力を入れて、片手にはスマホ。
リビングには広げっぱなしのゲームが置いてある。
一日中ゲームしてた、そう言うことにする。
今日の夜はみんなでゲームする約束してたから、そう言えばいい
あと3分頑張れば、シゲは帰る。
「寝てた?」
「んーん、ゲームしてた」
「ずっと?」
「へへ、うん。」
「しんどいのに?」
「へっ…」
「熱あんのに、休んでへんかったん?」
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作者名:suta. | 作成日時:2023年1月14日 14時