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「げほっ…げほっ…、っ、さぶっ…」

昨日、シゲとも別れてから
1人になった途端力が抜けて倒れてしまった。

倒れたって言うてもしんどさが一気にきて、熱上がっただけやけど。

仕事休みやし助かったけど
今日は流石に治さないとなあ…。

なんてったって飲み物すら取りに行かれへんくて
どうしても行きたいトイレに行くときに持ってくるのがやっと。

寒いし、薬も買いに行きたいけどこんなんじゃ外に出られへんし。

…シゲに会いたいなあ。
俺、看病してもらうの夢でさ。
いっつも一人で治してるから、変わらんねんけどさ、
別れたくなかったなあ…。
シゲ、好きな人できちゃったんや。
わかってても悔しいなあ、俺じゃダメやったんやなあ。

「っ…ぐすっ、ぅ、うっ、…っ、」


〜♪


「もしもし」

『神ちゃん?』

「ん、どしたん?」

『今からそっち行ってええ?』

「あー、ごめん。俺、今日用事あんねん」

『えっ、まじ?なあシゲ、用事あるって言うてんで』

え?シゲ?
あー、そっか今日のんちゃんシゲとロケ行くって言うてたな。
風邪うつさんでよかった。

『神ちゃん?』

「ん?」

『…俺、今日家行くから、欲しいもんある?』

「いや、ないけど…。ってかシゲ、俺今日無理やっ『行くから』

いつになく強引なシゲ。
でも今来られたって絶対うつす。
それにこんな姿見せたくない。
なんか上手いこと言われへんかな…、

あかん、熱で頭が回らへん。

『じゃ』

「はっ、えっ…、」

どうしよう、飲み物すら取りに行かれへん俺が
シゲたちが来たらそのまま座ってられるんやろか。




〜♪




こんなに早く?やばい、着替えもしてない、
でもとりあえず出ないと、





ガチャ





そっか、シゲは鍵持ってるから、
ってあかんあかん。

「はやかったね」

慌てて起き上がるとしんどくて思ったように体が動かん。
行かなきゃ

「神ちゃんっ」

「あっ、シゲ!もう俺今日無理やのにぃ〜」

頬を膨らませて玄関にいるシゲに歩み寄った。
足に力を入れて、片手にはスマホ。
リビングには広げっぱなしのゲームが置いてある。

一日中ゲームしてた、そう言うことにする。

今日の夜はみんなでゲームする約束してたから、そう言えばいい

あと3分頑張れば、シゲは帰る。

「寝てた?」

「んーん、ゲームしてた」

「ずっと?」

「へへ、うん。」

「しんどいのに?」

「へっ…」

「熱あんのに、休んでへんかったん?」

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作者名:suta. | 作成日時:2023年1月14日 14時

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