ともくんの3

rd× ラストチャンス2 ページ49

「そんなん、」

「そんなん、って思うならとうに無理やな。」

「でも、神ちゃんは」

「待ってたって。
　寂しくても、声が聞きたくても我慢してたで。
　仕事やから、疲れてるから、忙しいから、男やからって。」

「…」

「もう遅いで？」

「えっ」

「神ちゃんの気持ち、戻ってこんと思うで」

「…っ、何、これ」

「神ちゃん、照史と良い感じらしいわ」

「こんなん俺にはしてくれへんのに、」

「当たり前やん、照史は優しいからな」

「俺の方が神ちゃん好き」

「んは、俺も好き」

「え」

「神ちゃん。告ったけど、付き合うのはごめんって言われたわ
　でもそれ以外ならなんでもするって言うてくれたで？」

「は！？なにそれ、それ以外？！」

「おん、だからもう何回かシたけど、」

「待って、待って。そんなん浮気やん。」

「自然消滅、やろ？
　はまちゃんも、流星も、多分みんなシてんで、」

「…まじかよ、」

「聞いてみ？」











「まあ、神ちゃんはお前のこと、もう待ってへんけどなあ」











「神ちゃんっ」

『え？どうした？』

「あ、あの、」

『開けるわ』



ガチャ



「どうせ来るなら鍵使ったらええのに、」

「いや、悪いかなって」

「そ、んで？」

「あのさ、俺らって、その、」

「ん？」

「恋人…、やんな、」

「…？恋人？俺とシゲが？」

「呼び方っ、なんでやねん、俺ら別れてないやんか！」

「ちょっと落ち着いて？
　別れてるもなにも、付き合ってへんやんか」

「なんで！？なあ、！」

「シゲ、寂しくなったらどうする？」

「神ちゃんに電話する」

「会いたくなったら？」

「会いに行くよ、」

「じゃあ記念日は？」

「祝うって！当たり前やんか！」

「じゃあ、俺らは違うやん」

「えっ…？ぃや、それは」

「…俺らは付き合ってないやろ？
　寂しくなったら俺もシゲに会いたかった。
　仕事と俺、なんてアホくさいけどさ？
　シゲなら一緒に乗り越えてくれると思ってた」

「…ごめん」

「そろそろのんちゃん仕事終わるし迎えに行ってくるわ、
　シゲも送ったろか？」

「なんで！望、家くんの？」

「うん。泊まるよ」

「待ってや、俺、今日泊まりたい」

「えぇ…無理やって。また今度にして？な？」

「なんでなん？また抱かれるつもり？」

「…何が悪いん？」

「は？ともは俺と付き合ってるからやろ？」







「シゲは恋人でもない俺を寂しくなったら抱くくせに、

　俺は恋人でもない人に抱かれたらあかんの？」

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