rd× 大好きやから続12 ページ27
「シゲ！」
「お前っ、神山も！」
「…どうも」
後ろからガサガサと長身のイケメンと共に重岡さんが現れた。
手にはコンビニの袋がぶら下がっている。
「流星〜っ、神ちゃんの弁当うまいよ！」
「えっ、俺も食いたかったし、ちょっと頂戴や」
そういうとのんちゃんは隣に座った流星と2人で食べ始めてしまった。
たまにあーんって声が聞こえて、ラブラブな様子が伝わってくる。
「今日、唐揚げ？、う、美味そうやな、」
「俺、戻りますから良かったら座ってください。」
食べかけの弁当をもう一度包み直そうと手をかけると
手を滑らしてしまって蓋を落としてしまった。
仕方ない、あとは残そう。
「まだ残ってんなら食ってけよ、おったらええやん。」
俺の隣に腰掛けようとした重岡さんから逃げるように
荷物を全て持ち上げて立ち上がった。
少し悲しそうな顔をした後すぐに、袋をガサガサと探った。
「ん、やる。」
そう言って俺が好きなシュークリームを取り出した。
コンビニの中でもここのが1番好き！
…でも普段甘いのなんて買わないはずやのに、
もしかして貰ったんかな？
「大丈夫です。ありがとうございます。」
「…ん、そっか。望、これやる」
「わ！！いいんすか！？
ってこれ神ちゃん好きやん！いらんの？」
目をキラキラさせて、また口元にご飯粒を付けたのんちゃん。
こくりと頷いて蓋を閉めようと弁当を持ち直すと
すぐにパンを差し出された。
チョコやらクリームやら俺の好きなものが入ったパン。
甘くてデザートみたいやの。
「これ、やる」
「…え？いや、いいですって。重岡さんのお昼でしょ」
「…交換、してや」
「俺、何にも持ってなくて、すみません。」
「弁当。」
「でもこれ食べかけで…、また今度作って来たらいいですか？」
「それがいい。」
「でも…」
「…上司の言うこと聞けん？」
ピシッと空気が割れる音がした。
そうか、もう上司と部下の関係に戻ったんやった。
いつまでも甘えたこと言うてるのは俺が間違えてる。
「すみませんでした。」
「…ん」
よかった、まだたまごやきくらいしか食べてない。
メインもあるし、ご飯もある。
「好きなん袋から取って行って」
「…はい」
何もいらないけど、持っていかない方が
変な気をもたせちゃうし、ここは取っていくべきやろう。
袋の中を覗くとびっくりした。
俺の好きなものばっかで。たまたま、やろ…？
偶然にも程がある。
「ひっど」
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作者名：suta. | 作成日時：2022年9月18日 10時
