rd× 大好きやから続1 ページ16
大毅さんはモテる。
手作りのお菓子やら、お土産やらたくさん貰ってくる。
ご丁寧にお手紙と電話番号やら、IDが添えられて。
「食べないんですか？」
「おん。神山甘いの好きやろ？食ってええで」
紙袋にたくさん入ったお菓子の山が今日もできた。
きっと部署の子がくれた紙袋に適当に詰め込んだんやろう。
俺がこんなん見ても嬉しくないのに気づかんと。
「…俺、もう寝ますね」
「ん。俺も寝るわ。一緒にベッド行こ」
「はい」
見ていたテレビを消して携帯を手に取ると
スタスタと寝室へ向かっていった。
慌てて俺も電気を消して、その背中を追う。
おいで、と伸ばされる腕に抱きしめられる。
「…大毅さん、明日って忙しいですか？」
「んー、明日ー…は、後輩が飲みに行こって言うてたな。
晩飯いらんわ。すまんな」
「いえ、俺も明日出るので助かります」
「ん、帰る時に連絡してな。」
「はい」
やっぱり、明日忙しいよな。
急に言うたって断られるのわかってたけど。
それとなく探りを入れたら飲み会があるかもって言うてたし
こうなるのは百も承知。
明日は誰か誘ってこの舞台見に行くねん。
ずっと見たかった丸山先輩のおすすめの舞台。
2人でデートしって、
のんちゃんが俺にくれた誕生日プレゼントやから。
「あっくん」
「ん？」
「あ、もんち。誕生日おめでと」
「あ、ありがとうございます」
「いーえ。これ、プレゼント。」
大きな紙袋はずっしりと重くて、
きっと、あっくんやからぬいぐるみとか、俺の好きなものを
詰め込んでくれたに決まってる。
「わっ、ありがとうございますっ、
いいんですかっ…こんなにっ、」
「可愛いもんちのためやからな！ほんで、どーした？」
「あ、」
にかっと笑った笑顔についついキュンとしてしまう。
慌ててチケットを取り出した。
「あっくん，今日暇あったりしませんか、
舞台のチケット貰ったんです。でも行ける人いなくて」
「えっ、俺でええの？シゲは？」
「部署での飲み会があるので、
俺、あっくんと行きたいんですけど…だめですか？」
「ええよ、ええよ！行こか！」
俺の頭をわしゃわしゃと撫でてまたあの笑顔を見せた。
仕事終わりに下で待ち合わせをして、落ち合うことにした。
貰えると思ってなかったプレゼントが嬉しくて
気分は上がったまま場所へ戻った。
「かーみちゃん」
「わ、流星！」
「ん、お誕生日おめでと」
ポンっと投げられた小さな箱はずっと俺が欲しがってたピアスやった。
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作者名：suta. | 作成日時：2022年9月18日 10時
