or× 君らしく ページ35
もんちの悪い癖。
でも本人は気づいてない。
だからこそ心配。
「あ、ごめん」
「ごめんやあ」
「ごめんね、」
「んーん、俺が悪いの。ごめんね」
「…ごめんなさい」
「ごめんごめん！」
謝りすぎ。
真面目やし、ほんまに悪いって想ってるんかもしれんけど
その後にしんどそうな顔見たら、おいおいって、
「もんち」
「…はっ、ごめん！」
よだれを拭うような仕草をして俺から体を起こした。
疲れているのか目の下にクマが出来て、だるそうにしている。
「しんどい？」
「んーん！心配した？ごめんなあ」
そう聞くとにっこり笑って首を振った。
でもこれは嘘。
ちゃっかり熱出てんのは知ってる。
でも俺が泊まりにきたせいで無理をさせたみたい。
「んーん。でも今日は帰ろかな」
「えっ、…そっか、」
「うん、」
「…ん、わかった。ごめんね」
ほら寂しくても言わへんつもりか知らんけど
黙って下を向いてしまった。
「神ちゃん帰って欲しそうやからさ」
意地悪なのはわかってる。
泣くなら泣けばいい。
それくらい、俺はもっともっと甘えてほしいから。
冷たいかも知らんけど、
「…帰って欲しそう、に、見えた？」
「うん」
「そっか、ごめん」
「んーん。また明日。」
「…」
「ん？」
服の裾をぎゅっと握ったまま離そうとしない。
顔は少し泣きそう。
この白い塊。可愛いなんて思うのは惚れた弱み？
「…かえんないで」
「おん」
「ぎゅってして」
「ええよ。腕を広げて」
「…嫌。あっくんがするの」
「ん、姫、どーぞ」
ちょこんと座ったもんちを抱き寄せてやると
不貞腐れた顔をした。
「姫嫌」
「とも、」
「…がまん、どんなけせなあかんかわかんない。
いっぱいあっくんに甘えたいのに、淳太おる。」
「ん、ごめんな？」
ぐりぐりと俺の胸に頭を擦り付けて、へへ、と笑った。
白い頬をふにふにと摘んで、特大の笑顔で返す。
「ひはひへほはっふいい」
「ん？かっこいい？」
「わ！そこだけ聞こえんの！？」
「うん。安心させてって聞こえる」
「…、言うてないけどな」
すくうように下からキスをして唇を貪る。
啄むようなキスから食い散らかすようなキスに変わって
舌滑り込ませたら止まらんなってしまった。
「はぁ…、はぁっ、/ んぅ、ぁ…/」
「ぜーんぶ、俺で包んだるから安心し？」
少し考えたように口を尖らせると
うんっと頷いてまた俺に唇を重ねた。
fin
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作者名：suta. | 作成日時：2022年9月18日 10時
