rd× 大好きやから続9 ページ24
スパーンっっっっ！！！！！！
「いってええええ！！！！」
あまりの勢いにびっくりして歯が当たってしまった。
当の本人は頭を抑えてのたうち回ってるけど。
「もんち、仕事行こな？」
「シゲも辛抱ならん奴やな。
鍵閉めても俺は開けれんねんぞ」
「だってぇえ、ってかお前らなんではいってんねん！！！」
「、だ、大丈夫、です…っ、
残業でも、すれば、間に合うので…っ、」
「は！？残業！？あかんに決まってるやろ！」
俺もあんな風に怒られてしまう。
「す、すみませんっ…」
「シゲ、神ちゃんが」
「俺とケーキ食うんやろ？」
「はぃっ、…すみません」
今までされてきたことが今日で解放されるかも、
大毅さんに会えないのに、残業して、寝れなくて、
ずっと耐えてたのに、涙が止まらへんっ…
甘えたいはずやのに、大毅さんが怖くてこの場から居なくなりたい。
課長が俺に残業させるのは俺と2人きりになるため。
そうすれば俺は逃げられないし、課長の思い通りになる。
「神山、…？」
「モンチっ！！」
「…はい、」
「今日は帰ろ。俺の家、…怖いか、
流星がええか？小瀧に頼もか？そや濱ちゃんならいいか？
照史にも頼んだる。淳太にも付いてって貰え、な？」
必死で俺の涙を拭いてくれる。
でもその手すら怖い。課長に触られた手が蘇る。
でもそんなこと言えばまた…、
「とも、俺と帰ろう。淳太、俺、こいつと帰る。
「ん」」
「重岡さんっ、仕事っ、」
「あかん！！」
「重岡さん、俺」
「…最近の残業は、あいつのせいか」
頬を撫でられて顔を上げると少しやつれた顔。
家出て行ってそんなに経ってないはずやのに。
「重岡さん、痩せました？」
「んーん」
「夜ふかしですか？早く寝ないとダメですよ？」
そう明るく言えばさらに自慢の眉毛を下げた。
少し伸びた髪はいつもよりボサボサで。
「まだ明るいですね。ケーキ食べますか？」
「…」
「重岡さん？」
「ケーキ、食べた。」
「そうですか。まあ期限ありますからね。
残ってるわけないですよね、すみません。」
「…神山が俺のために作ってくれたから、あの、美味かった。
ありがとう、あと、ごめん」
俺の手を優しく解いてぎゅっと握り締めた。
指をするすると撫でては、反対の手を俺の膝に置いた。
「神山、ちゃんと話そう。俺、神山と離れたくないねん」
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作者名：suta. | 作成日時：2022年9月18日 10時
