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二人でゆっくり話せばいい。
きっと二人は、両思い。

昨日のおーくらは変やった。
俺にじゃない、優しい目をしてた。

亮モテモテやん。
ええなあ。あ、今日は丸と飲みにいこかな。
明日は他に誰か誘えばえっか。

  ヒトリ、サミシイカラ。

「…その跡は、おーくらか?」

慌てて振り返ると、後ろにす ばるくんがおった。
びっくりした。今日は二人になりたくないのに。
なんで追いかけてきたんよ。
ってか、跡って何?

「っ!…別になんでもあらへんよ。
 あ、トイレ行くの忘れてた!」

せや、後ろは確認すんの忘れてた。
どこや、どこが見えてたんや。

「ぅわ…ここか…。」

耳たぶの下らへん。首筋より頭に近い。
こんなとこ見てへんかった…。
よりによって本人に見つかるやなんて。

少しタートルを伸ばして、保護しとこ…。
ってか、早よ行かなっ。

「わっ!!!」

慌てて扉を開けたら目の前にはす ばるくんがいて。
壁にもたれて待ってるような姿勢。

お先、そう言って楽屋に向かおうとしたら
腕を引っ張られて止められる。

「…昨日、ごめん。
 その、あれは…ほんまは、ちがうくて、」

「なんのこと?俺、わかんないや。
 謝られることないし…もう俺行かな。」

謝られたって惨めになるだけやん。
こんなとこ亮に見られたらあかんやん。
誤解されちゃう。大事にしたげてよ。

「ちゃうねん。あかん。だから…っ、
 あー、くそ!俺の好きな人は、」

「それ…聞かなあかん?
 俺、聞きたくないねん。ごめんな。」

聞きたくない。
す ばるくんの口から亮の名前なんか。
もう俺はええねん、おーくらとおるねん。
誰でもいいの。埋めてくれるなら。
忘れさせてくれるなら。

「今日、空いてへん?飲みにけえへん??俺んち。」

「ごめん…。」

「そっか…なんかあるん?」

ないよ。誘ってくれるなら行きたい。
でも今の俺にはそんなん辛いねん。
まだ、諦めきれてないから。ごめん。

「…二人なんかで飲まん方がええんちゃう?
 俺なんかとこんなんしてたら
 相手…ほら、嫌な思いさせちゃうやん?」

うまく笑えてるかな。泣いては…ないと思う。
楽屋行かな。みんな待ってるはずやし。

「なっ、…それ、だから、」

「ごめん。もう行くね。」

腕振り払って小走りで楽屋に入る。
なんで誘うん?そうやって隠すん?

「…ふぅ、」

「あら、しょーちゃん。どないしはったん?」

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作者名:suta. | 作成日時:2021年3月21日 2時

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