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緑
朝目覚めると可愛い子が俺の腕の中におる。
プニプにした柔らかいほっぺ。
なんとも言えん綺麗な顔。
まつ毛も長いんやなあ。
所々に見える涙の後。
それはあえて見ないふり。
見えない。見たくない。
指で少し強めに拭いてやる。
別に好きな訳やない。
まあ、別に、たまには、なあ?
「ぉ、くっ、らぁっ、/」
甘い声で何度も呼ばれて、重なり合って。
でもこの子好きな子おるんちゃうのん。
「んんっ…」
寝返りと同時に少し顔を顰める。
「…おはよ。」
「ぉはよ…」
目を擦りながら呟いて俺に向かって微笑む。
いつもは可愛いなあで済むけど
今の姿を見ればちゃうとこにも目が行く。
「めっちゃつけてもーた。」
シーツに埋まるや すの隙間から
所々に赤い印がついてる。
まだ眠いのかふにゃふにゃ言うてる。
ほんまかわええなあ。
「やーす。」
「んーぅ?」
「シャワーしといで。」
髪をすいてやると少しぎこちなく笑って
またすやすやと眠りについてしまった。
ほんま、しゃあないやっちゃで。
「…夕方の仕事までには支度しょーな。」
シーツにくるまったや すを写真に収めるために
手探りでケータイを探す。
ふと画面にはメッセージが2件。
「「一緒に帰ったん?」」00:37
「「もしかして、泊まりとか?」」01:29
昨日なんのトークしてたっけ。
毎日たらたらおんなじこと
繰り返しやから忘れてもうた。
「あれ…」
続きじゃ無かった。
しかもよーみたら時間差。
りょうちゃん俺になんか興味なかったくせに。
や すが絡んだらすぐこれやん。
カシャ
シーツに絡まるや すが可愛かって。
あー、いいなあ、ええやん。
送ろかな。送ったら少しは妬いてくれるんかな。
って、妬くのは俺じゃないか。
「俺も寝よっと。」
アラームセットは完了したし…
や すあったかいな。もうちょっとこっちおいで。
引き寄せて腕を下に敷けば擦り寄るように
俺の元に来る。
…こんな可愛い子ほっといて。
す ばるくんも罪やなあ。
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作者名:suta. | 作成日時:2021年3月21日 2時