◯ ページ42
青
殴られるって？
仕事でも話したらあかんの？
楽屋ギリって…今何時かな。
ってそうや、携帯、楽屋やった…。
ぶらぶら歩いたてたら見つけた隠れ家みたいな部屋。
誰も使ってないみたい。
あ、これ見たことある！
なんや、小道具とか置いてんのか…
あーあ、これ邪魔やったんや…
少しでも仲良くなれたらって作った曲。
2人でよく作ってたらしいから。
そう思ったのに。
す「おい、や す。」
声のする方を振り返るとそこにはす ばるくんがいた。
どうしよ、話していいんかな。
でも無視なんかできひんし…。
安「なっ、なんですか…」
極力離れる。
極力顔は見ない。
極力話さない。
みんなに聞いてて気づいた。
俺が思い出されへんのは、
全部す ばるくんのことだけ。
誰と遊んだとかも全部覚えてる。
でもす ばるくんとの記憶だけない。
歌も覚えてる。
でも一緒に作った歌も、
す ばるくんが歌ってるパートも全く覚えてない。
す「さっきの、見せろ。」
廊下のゴミ箱に捨ててしまった。
データは家にある。
どうしよ…でも、
安「あの、あれまだできてないんです。
だから、気にしないでください。」
す「おい、敬語。」
安「あっ、この方が落ち着くんです。
えっと…」
す「そんなに嫌か。」
えっ、
安「…俺だったの？」
俺が嫌やったん？す ばるくんじゃなくて？
どゆことだろう…どうしても気になる。
す「は？」
安「んーん！なんでもないです。
じゃ、俺行かなきゃだめなんで」
ぐいっと腕を掴まれる。
おっとっとってなってす ばるくんにぶつかった。
支えてくれなかったら危なかったあ…
安「ごめんなさい。ありがとう。」
肩に手を置いてそっと離れる。
なんだろ、なんか…覚えてる感じがする。
亮「す ばるくん？」
慌てて振り返るとそこには亮がおった。
あかん。逃げな。勝手にそう思う。
でもなんでやろ、なんで逃げんの？
す「悪い。」
そう言って部屋から出て行った。
バタン！
乾いた後でドアが閉まる。
亮「しょーちゃん。」
ハッとして顔を上げる。
そうや。亮に聞いてもらわないと、
安「なっ、亮、あの、」
急に後ろに突き飛ばされて、髪を掴まれる。
安「痛いっ、亮っ、離してっ…！」
亮「話すなって言うたやん。
また色目使ったやろ。あんなんしてたんや。」
なにこれ。怖い。助けて。
引っ張られた髪が痛い。
安「ちがうのっ、聞いてっ」
亮「うるさい！」
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作者名：suta. | 作成日時：2021年3月21日 2時
