◯ ページ37
緑
何この痣。
まるで誰かに殴られたような跡。
お腹に大きく付いてる。
安「ぅう…ごめん、も、やめて…」
何かに怯えてるんか時々頭を覆って震える。
うなされててずっと謝ってる。
何があったん?どしたん?
安「も…話さへん…から、ごめん…」
頭を撫でてやると、ふっと力が抜けたように
またすやすやと眠る。顔には複数の涙の跡。
トイレで蹲って気を失ってたらしい。
大慌てでや すを担いだす ばるくんが
楽屋に飛び込んできた。
大「や すどーしたんな。」
お腹を抑えてたからそっと服をめくれば
大きく痛そうな痣。
腕や、背中にもたくさんある。
なにこれ、どういうこと?
目が覚めてもキョトンとした顔で
いつもと変わらない。
言いたくないんかな。でもなんとかしたらなあかん。
す「おい、こいつもしかして…」
挙げ句の果てにはす ばるくんを覚えてない。
でもなんで?俺のことは覚えてたのに。
大「や す?メンバーのこと、覚えてる?」
安「う、うん…えっと、おーくらでしょ、俺と
あと、亮と、よ こちょとまると…村上くん、
あ、あれ…あと、あと、あと一人誰やっけ…」
頭を抱えて悩んでる。この顔、嘘じゃない。
す「おい!お前そろそろキレるぞ!
わかるやろ!」
安「ひっ…ご、ごめんなさいっ…
でも、思い出せなくて…、」
慌てて後ろに隠れて俺の服を掴んだまま震えてる。
なんで、思い出されへんの…。
す「…どう言うことやねん。」
大「なんで、ほんまに…」
大「やす、つまみはなにがええ?」
安「…おーくら。」
大「ん?」
安「さっきの人…もしかしてメンバー…?」
大「…」
安「やっぱそうなんや…」
思い出せへんのが悔しいんか黙って下を向く。
大「気にせんでええよ、ゆっくり思い出し〜」
今はそんなことしか言われへん。
もしかして、って俺の中では思ってる。
あの痣、うなされてたのも、
す ばるくんのせいちゃう?
そしたら怖いのも、思い出せてないのも
辻褄が合う気がする。
安「…うん。明日、思い出してるかな?」
大「大丈夫やから、今日は、飲も!」
家についてもあんまり元気がないんか
結局飲んだらすぐに寝てしまった。
安「ぅうっ…ごめっ…す、…くん…。」
やっぱり。そうや。絶対そうや。
じゃないとや すが忘れるはずない。
やとしたらなんであんなに焦るん?
忘れられた方がよくない?
とにかく明日や。明日聞いてみよう。
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作者名:suta. | 作成日時:2021年3月21日 2時