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なんやあいつ。
写真撮られたくらいで。
あー、これ可愛いなあ。

「なー!す ばるくん!これ誰ー?
 いつこんな女の子捕まえたんさー!」

丸が雑誌でぽこぽこ叩いてくる。
なんやねん。イライラしてんのに

「は?」

ん?あ、や すは!?あいつもう帰った?!

「しょーちゃん、もう帰ったん?
 今日は一緒に帰らんの?」

「あーなんかす ばるんちに寄るとかなんとか
 言うとった気いするなあ。」

「か!帰る!おつかれ!」

慌ててカバン掴んで自宅やなくて、
アイツんちにむかう。
電話もでえへん。くっそ、なんやねん。

自動ドアおっそいなあ!
玄関の前でちょうど鉢合わせた。
どこ行くんや?そんな荷物持って。

「はぁ…はぁ…や す、おま、どこ…」

「どーしたの?そんなに慌てて。
 あ、そゆことか。行こ!こっち!」

腕を引かれて駐車場に向かう。
言われるがまま俺も車に乗り込んで

「車、マネやんな?
 おうちまで送ったげる。」

「あ、おん。ありがと。あのさ、」

「ごめん、あんまり時間なくって。
 今週中に荷物運ぶね。あ、明日は休み?」

荷物?明日は、休みやけど、お前もやろ?
2人で合わせて取ったよな。確か明日は出かけよって

「おん、でさ、」

「あ、ごめん。明日は運ばないから安心して!
 それと…あ、ごめん。電話。」

「おん。」

「もしもしー、うん。明日?休みやけど…
 うん、…うん。わかった。夜から行く。
 はーい。また後でねー。」

夜から?どう言うこと?今日からどっか行くんか?
ってか明日は俺とおるんやろ?

「…はい、とーちゃく。
 あ、せや、俺も荷物取り行くね。」

「なあ、さっきから荷物って何?
 それどこに持ってくん?なあ、明日って、」

「ほら、こんなとこ撮られたら大変でしょ?
 行こ!おうち、あがってもいい?」

「…。」

車止めて部屋に向かっても顔を隠したまま。
フードを深く被って顔を見せへん。

「ん、入れや。」

「あ、んーん。ここでいい。
 これ!渡すね、あと…これも。」

渡されたのはカバンに入った俺の服。
それと…俺の部屋の鍵。
お揃いのキーケースでお互いの家の鍵入れてた。

「…なんで、」

「もう、隠さないでよ。彼女できたじゃん。
 その子に悪いから、俺は返すね。」

「お前…っ。」

「…あれっ、なんでっ…、
 泣かへんって決めたのにっ…ごめんね…。」

涙を溜めた俺に笑ってみせる。
なんでお前、そんな。

「あの写真、」

「す ばるくん、今までありがと。」

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作者名:suta. | 作成日時:2021年3月21日 2時

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