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「誤解させてんのは俺やねん。
 …ごめんな、昨日。」

好きって、言うてくれたんは誤解やったんかな。
あ、思い違い?そんなんわかってるよ。

離れようとすれば更に強く抱きしめられる。

「…ずるいわ。す ばるくん。」

「え?」

もう困っちゃえばええねん。
俺は好きやでって言うたら、困るやろ?

でもすぐに唇に指が当たる。
シーって言われて、びっくりした。
恥ずかしそうに、でも真剣な顔。

一瞬、その唇が俺に重なった。
…いまのって、

「聞いて。俺から言いたい。」

ちゅー、はなんでしたん?
俺のこと好きなん?

「好き、や。
 その、おーくらが、ええか…?」

そんなわけないやん。ずっと好きやったのに。
誰よりも大好きやったのに。

す ばるくんがいい。誰よりもす ばるくんがいい。

「な、こっち向いて。」

そう言われて頬に手が当たる。
ゆっくり顔が近づいてくる。
俺もゆっくり目を閉じて、す ばるくんを待つ。

でも、でも違うの。

「…亮に悪いから、もうやめる。
 ごめんね、浮気なんかさせて。」

「ちがっ…や す。違うねん。」

「なにが違うん?あの時亮が来たやん…。
 それに一緒におりたいって言うてたやん…。
 俺はカモフラージュなんやんな?
 黙っとく、誰にも言わへん。
 俺、諦めるし、もうこんなんせえへんから。」

何回も止められる。違うって。
…でもそうやん。

「今のちゅーも忘れるから、
 だから、せやからもう…優しくせんといて。」

涙が止まらへん。こんなずるいのに。
ごめん、ごめんな、す ばるくん。

「や す、ちがうっ…ちゃうねんっ…。
 あの電話はヒナからやしっ…
 お前のことへの冷やかしで…んならたまたま
 亮が様子見に来る役やって…、
 それに俺がおりたかったんはお前やし、
 でもお前断ったから…嫌なんかなって、
 優しくせえへんのなんか無理やろ。
 諦めるってなんやねん…好きやのに…」

強く抱きしめられて紡ぐような言葉で俺に話す。
誤解って、そのことなん…?

「じゃぁ、亮とは、なんでもないの?」

「おん。なんもない。」

じゃあ好きって、俺のこと?
俺のことが好きなん?

でも俺、おーくらとシた。

この服の下は跡が残ってる。
おーくらとのこと後悔なんかしてない。
でも亮が好きやったん知らんかったから、
そこだけかな、

…だからす ばるくんとは

「せっかくやけど、ごめんなさい。
 言ってくれてありがとーね。」

「えっ…でも。」

お付き合いなんかでけへんよ。

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作者名:suta. | 作成日時:2021年3月21日 2時

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