◯ ページ2
赤
部屋に来てもらってもーた。
あーあ。どーしよう。
「…す ばるくん、あの、」
「…や す、あんな」
同時やった。
ソファにちょこんと腰掛けるや すと
その横に座る俺。
「ごめっ、なぁに？」
「あっ、いや、や すこそ、なに？」
「いや、す ばるくんから、」
「じゃ、じゃぁ…あんな、」
〜♪
びっくりした、なんや、急に。
なんや、あいつらか。
「でてきて。」
ぎこちなく笑うや す置いて、少し離れて電話に出た。
「もしもし。」
『お！どーや！すすんでんのか！？』
「いや、」
『なんやねん、お前。珍しい。
好きちゃうんか？！』
「いや、好きやわ。」
『ははは！ほな、今から見に行こかな？』
「おい、絶対来んなよ？」
電話切って、なんやねんこいつ。笑笑
好きやっちゅーねん。携帯に向かって言えば
なんかアホみたい。
ソファに戻ると三角座りしたや すがおる。
酔いもあるんかな、滑り込むように隣に行って
「や す、あんな。」
「んー？」
あれ、なんか違う。これって涙声？
変なの。
顔を上げさせると大粒の涙流してる。
「ごめっ、どした！」
「んーんなんでもないの。
ちょっと酔っちゃっただけ。
もう、帰ろっかな…。」
涙を慌てて拭いてこっちに笑顔を向ける。
今ならそんなまだ遅ないし、帰らすか。
「タクシー呼んだる。帰り。」
「…ううん、ありがと。
少し歩いて帰るから、どっかで拾う。」
「そっか、」
上着を羽織って、カバンを掴んだしょーた。
あ、まだ泣き止んでない。拭いたら怒るかな。
「じゃね、ありがと。」
玄関で振り返ったや すは目が真っ赤。
泣くのまだ我慢してて心配になる。
「あ、や す。顔…」
涙拭いたくて、手を伸ばす。
すると、さっと、避けられて。
「もぉ、見られちゃうかもしれないでしょ。」
え？誰に？どー言うこと？
「は、それどーゆー、」
「今から来るんでしょ。好きな人。」
俺、誤解させちゃうかもしれないじゃん。
そう言ってや すは出て行った。
苦笑い。あの顔のこと言うんやろーな。
無理して笑って、かわいい顔が台無しや。
ってか、好きなひとって？誤解って？
扉開けて勢いよく飛び出せば
そこにおんのは亮やって、
「今、しょーちゃんとびだしてったけど…」
やばい。それはあかん。誤解されてもーた。
今ここで亮と会えば、好きな人は亮になる。
ってかなんでこいつきてんねん。
「おまっ…」
「あぁ、みんな下おるで？
俺じゃんけん負けたから見にきた！」
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作者名：suta. | 作成日時：2021年3月21日 2時
