弐 其ノ卅録 ページ47
「え」
そこには、刀を握りしめた左之助がいた
「っこの…バカ女が！剣心も弥彦も姉ちゃんもてめーのために体張って助けに来たってのに！てめーは全部台無しにする気かよ！」
バッと高荷の手から刀を取り上げる
高荷はどさりと後ろの腰掛けへと座り込んだ
「……だって、仕方ないじゃないの。私の阿片で大勢の人が苦しんでいるのよ。それなのに“無理矢理やらされた”なんて、言い訳一つで今更自分だけ甘い幸せにありつこうなんて…」
ポロポロと高荷は涙を流す
その時、ピィーッと外から音がした。
「優やべぇ！警官隊だ！」
『まあ、あれだけ騒ぎを起こせば警官も来ますよ。』
はぁ、と呆れたように私は言い返す
「んな事言ってる場合か！早くズラからねーと!!」
左之助はぼうっとしている高荷の腕を引っ張った
「チッ…！ほらボサっとすんな！急げ!!」
だが、高荷は引かれた腕を振り払った
「オイ！」
つかつかと兄の方へ歩み寄る
「剣さん。」
すっと袖からひとつの小さな入れ物を取り出した
「家伝のちどめぐすりです。胸の深手、とりあえずこれで応急処置をして、早く医者へ…。」
それを兄へと渡した。そして、私の方を見て口を開いた
「優さん。天井裏に観柳の作った隠し通路があります。そこを通れば無事、脱出出来ますから…」
「お世話になりました。」
すっと体を返し、出入口へと向かった
『阿片の密売は死刑──』
ボソリと私はつぶやく
『それを知った上でのこと、という事ですか。高荷さん』
「…ええ…。けど、私の阿片で左之助の友人さんの様に死人だって出ているんです。ここで逃げる訳には行きません。人殺しの罪は死罰を以って償います」
高荷は、1度も振り返らず、出ていった
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碧(プロフ) - チア様！コメントありがとうございます！私も文才がない中、必死に勉強しながら書いている所存でございます。これからも日々精進していきますので暖かいような生暖かい目で見守ってくださると幸いです！ (2021年1月24日 22時) (
レス) id: bdcd37c099 (このIDを非表示/違反報告)
チア(プロフ) - 儚い貴方との思い出を楽しく見させて貰ってます！これからも、頑張ってください。楽しみにしてます！ (2021年1月24日 20時) (レス) id: 85b9df66b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2020年12月18日 21時
