弐 其ノ卅伍 ページ46
階段を駆け上がり、半二階の廊下を走っていると、兄様がガっと膝を着いた
「剣心!」
「大丈夫。少しよろけただけでござる。急ごう、恵殿が待っている」
はぁはぁと息を切らせながら兄は答える
「ああ」
『確かに、急いだ方がいいでしょう。あの女狐も何をしでかすか…立てますか?』
すっと私は手を差し出す
「すまん。」
グッと手を握り、兄を引き上げた。
『…ここですね』
左之助は無言で取っ手をに手をかけ、ガチャガチャといじり始めた。
だが、鍵が掛かっているのか開く気配はない。
「あーーっ!まどろっこしい!!」
あろうことか、左之助と弥彦は扉を蹴破った。
…馬鹿だろ。
そこには般若が言ったように、高荷恵がいた。
「よし!伏兵はいねーな。」
「弥彦君…左之助…」
「待たせたでござるな。恵殿」
『…お怪我は?ありませんか?』
「剣さん…優さん…」
高荷は私たちの名を呼んだ。
そして、兄の胸に着いた傷を見て目を見開いた
「その傷──」
「ああ、少々てこずってしまったでござる」
へらりと笑いながら答えた
「それより、恵殿に大した怪我がなくて良かったでござるよ」
そう、兄が言った途端、高荷の目の色が少し変わった
「ごめんなさいね…。勝手に騒動に巻き込んでおいて、挙句に危険な目に遭わせて」
高荷は手元にあった小太刀を構えた
「けど、もう安心して。」
小太刀を手首え添える
「災いのタネはすぐに消えるから──」
「!」
「『恵殿!/高荷さん!』」
「阿片の密造人に堕ちて…それでも家族に会いたい一心で未練がましく生きてきたけど、最期の最期であなた達に出会えて本当に良かった。」
「待て!」
バッと兄は駆け出す
「ありがとう」
高荷が握る柄に力が籠った
そして、血が吹き出した
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碧(プロフ) - チア様!コメントありがとうございます!私も文才がない中、必死に勉強しながら書いている所存でございます。これからも日々精進していきますので暖かいような生暖かい目で見守ってくださると幸いです! (2021年1月24日 22時) (レス) id: bdcd37c099 (このIDを非表示/違反報告)
チア(プロフ) - 儚い貴方との思い出を楽しく見させて貰ってます!これからも、頑張ってください。楽しみにしてます! (2021年1月24日 20時) (レス) id: 85b9df66b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2020年12月18日 21時