∞八の字探偵事務所∞ (ページ49)

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愛？ページ49

「すっごい美味しいですね！このパンケーキ！」

「ほんまやな」

「このネックレス可愛い～！」

「ええやん、買うたるわ」

「愛、どこ行くん？」

「あの雑貨屋さん入ってみたいです！」

「普通。」

「普通や」

事務所の四人と外の三人、別々の場所で声がそろった。

「愛って、呼び捨て…」

「あのお店、結構高いんやで？」

「コミュ力高すぎやろ…」

「あそこのパンケーキ、食べたかったんですよね～いいなぁ～」

事務所内。三台のディスプレイを見つめる、丸山、安田、錦戸、七瀬。

丸山、安田が仕掛けた、GPSと盗聴器で村上と相原カップル(仮)の様子を監視している。

「Aちゃん、そんな呑気なこと言うてる場合ちゃうで？」

安田が、家でテレビ番組を観ているような七瀬に言った。

一方、監視チームは看板の影にはみ出し、あるときは路地裏に挟まり、カフェの離れた席から見守る…など、あらゆる手段でカップル(仮)を追っていた。

現在、三人は雑貨屋の向かいのカフェにいる。

音声に関しては、渋谷しかイヤホンを持ってないので、大倉、横山には聞こえない。
それでも、見ているだけで理解するには充分だった。

「パンケーキにアクセサリー、雑貨屋さん行きたい…普通のデートや…」

「それが依頼やろ。普通やけど。」

「あーパンケーキ食べた－い」

「大倉、シフォンケーキ食ってる真っ最中やろ。」

渋谷が事あるごとに、何かしらを食べる大倉に言った。

(よっぽど、仕事がしんどかったんやろな…)

(最初より、めっちゃ笑顔になってるわ)

ぐるぐると店内を歩き回る相原についていく村上は、彼氏というより、保護者のような気持ちでいた。

そして、後をつけている、黒スーツの三人に細心の注意を払っていた。