いナイ ページ48
相原さんと村上さんを追い出すように、見送ったオフィスでは…
「いーなー、信ちゃん…」
「僕なら、可愛い服売ってる所、いっぱい知ってるのに」
「俺の方が格好いいと思うけどな」
相原さんとのデートを惜しむ男性陣…。
「だったら、もっとアピールすれば良かったじゃないですか。」
「でも、ホンモノが目の前にいると…」
「俺、人見知りやから。」
「あれ？大倉と渋やんは？」
安田さんがオフィスを見渡す。
「横山くんもおらんで！」
「みんな、信ちゃん追いかけてったで。」
丸山さんの衝撃発言。
∞∞∞∞∞∞∞
遡ること、五分前＿＿＿
二人が出ていったドアを見つめる、渋谷と大倉。
「なあ、追いかけへん？」
「村上くん？ええよ。アイアイのボディガードとして。」
ひそひそと打ち合わせをした二人は、
ほかの探偵たちに気付かれないように、そそくさと事務所を出ていく………
のを見てしまった横山所長。
「すばると大倉が手を出さんよう、監視してくる。」
丸山に伝言を残し、横山も後を追って事務所を出た。
∞∞∞∞∞∞∞
八の字探偵事務所が建つ、ビル街は何気にブティックやショッピングモールもある。
そのため、土日は家族連れやらで人が多くなる。
しかし、
「今日は水曜日やし、これくらいなら、バレずに済むやろ。」
「そうですね！人もそんなに多くないですし」
相原愛はたぶん今日イチの笑顔を見せた。
「でも、私、そんなにバレないですよ」
「ほんまに？」
二人はしゃべりながら、ぶらぶらと街を歩く。
その後ろ姿を渋谷、大倉、横山がビルの影から監視していた。
ちなみに、上から横山、大倉、渋谷と顔を覗かせている。
「何で、ヨコがついてくんねん」
一番下の渋谷がうっとうしそうに言った。
「あんたら二人が手を出さんよう、監視するためや。」
「とか言って、アイアイが気になるんでしょー？」
「依頼人として、な。」
「俺、村上に盗聴器仕掛けてん。これで話聞き放題や！」
渋谷が言った。耳にイヤホンがついている。
「僕はあんパンと牛乳持ってきてん！尾行し放題やで！」
次いで、大倉が言った。
「俺、双眼鏡持ってきたわ。」
「やっぱ、アイアイ目的やん」
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作者名：アルー | 作成日時：2016年2月27日 12時
