traveler7 ページ7
小五郎「バーロー!!どこに自分の作品を破壊する建築家がいる!?」
安室「まぁまぁ毛利先生落ち着いてください!これから説明しますから!!…………幼い頃から建築家として、父親の才能を受け継いだ森谷教授は30代初めという異例の若さで建築界にデビューした。そして環状線の橋の設計で日本建築協会の新人賞を取った。その後も数々の新しい建築を生み出し続けた森谷教授はある時不意に…………いや、前からそう思っていたのか、若い頃の作品の一部を抹殺したくなった。それはティーパーティーの時の教授の言葉を聞いたコナン君からの情報提供により判明しました。」
そう、森谷教授はとても強い意志を持って言っていた。
“今の若い建築家の多くは美意識が欠けています、もっと自分の作品に責任を持たなければいけないのです!!“と。
もちろんこれも安室さんに伝えてある。
安室「つまり、森谷教授はあの時の言葉を実行したんです。さて皆さん、パネル写真を見てください。まず黒川邸、水島邸、安田邸、阿久津邸、そして橋をよく見てください。いずれも英国古典洋式風の建築ですが、なにか気付かれたことはありませんか?」
目暮「いやぁ……どれも見事な建築だとワシは思うが……。」
白鳥「あぁ!!完全なシンメトリーになってない!!」
安室「流石白鳥警部。そうです、微妙に左右対象とはなっていません。恐らく建築主の注文か、建築基準法などの関係で妥協せざるを得なかったんでしょう。それは完全主義者の森谷教授にとって我慢のならない事でした。時を同じくしてそれまで順風満帆だった建築家としての人生に初めて影がさしました。長い時間かけて完成した西多摩市の新しい街づくりの計画が市長の逮捕によって突然中止になってしまったんです。」
白鳥「そうか!!これも森谷教授の設計だったんですね!!」
安室「教授はその事件を解決し、中止に導いた工藤新一君に挑戦し、高校生探偵の名を汚すことで目的の1つである復讐を果たし、同時にもう1つの目的である黒川邸を含む4件の家の放火と環状線の橋の爆破をカモフラージュしようとしたんです。そして、あの時キャリーケースの爆弾のタイマーを止めたのは児童公園にあったガス灯の為です。あれはニュータウン西多摩市のシンボルになるはずだったもの。教授は壊したくなかったんですよ、こよなく愛するロンドンのそれに似せてデザインしたあのガス灯を……違いますか?」
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りぃ - 素敵なお話をありがとうございました!青の理由が素敵でした! (2022年1月11日 18時) (レス) @page14 id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆずポン酢 | 作成日時:2022年1月7日 22時